2015年12月号記事

祝 ノーベル賞

日本のスゴイ技術

アイデアが生まれた、その瞬間に迫る!

日本経済の復活の兆しが見えないまま、アベノミクス「新3本の矢」は発表直後に株価を急落させてしまった。しかし、失望するのはまだ早い。日本には、まだまだあらゆる分野にスゴイ研究や技術があふれているからだ。世界を救うような「未来産業」が日本から生まれることだって十分ありうる。その方法を探ってみよう。

(編集部 河本晴恵、山本泉、冨野勝寛)

資源の乏しい日本が先進国なのは、スゴイ技術があるからだ。そして、その技術を支えているのが、スゴイ研究者たちの成果の積み重ねである。

まずは、2015年のノーベル賞に決まった日本人研究者2人のエピソードから、大きな研究成果を生む秘訣を考えてみたい。

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「私の仕事は微生物の力を借りているだけ」

ノーベル医学・生理学賞に選ばれた大村智・北里大学特別栄誉教授の言葉だ。

アフリカで10億人以上を失明の危険から救ったワクチン「イベルメクチン」の元となる化合物を発見するという十分すぎるほどの功績を上げながら、大村氏は記者会見でこうも語っている。

「私自身がすごいことを考えたり、難しいことをやったりしたわけではなくて、すべて微生物がやっていることを勉強させていただきながら、本日まで来ている」

次ページからのポイント

インタビュー 植松努氏/磯崎芳男氏/山極芳樹

町工場ロケット/深海探査/宇宙エレベーター

日本に「未来産業」をつくる道