2016年2月号記事
第41回
釈量子の志士奮迅
幸福実現党党首
釈量子
(しゃく・りょうこ)1969年、東京都生まれ。國學院大學文学部史学科卒。大手企業勤務を経て、(宗)幸福の科学に入局。本誌編集部、常務理事などを歴任。2013年7月から幸福実現党党首。
釈量子のブログはこちらでご覧になれます。
マイナンバーに見る政治の傲慢
全国の支援者と触れ合う中で、頻繁に耳にする声があります。「マイナンバー制度の話が、知らない間にどんどん進んでいる。不気味だ」というものです。
各家庭には、総務省から一方的にマイナンバー通知カードが届いています。そこに自分の名前と「管理番号」が印刷されているのを見て、不安を覚えているというのです。
不安になるのも当然です。ドイツでは、こうした共通番号制は憲法違反だとされています。
背景には、歴史への反省があります。第二次世界大戦中、ナチスは、ユダヤ人に識別番号の入れ墨をし、指輪やネックレスを身ぐるみ奪って、そのままガス室に送りました。
国民への一律の番号付けは、全体主義の象徴。多くの方が、本能的に危機感を覚えるわけです。
銀行口座もひも付けされる
マイナンバー通知カード(見本)
そしてマイナンバーの恐ろしい本性が現れるのは、これからです。
2015年9月には、マイナンバーを「預金口座」や「特定健診の結果」などとひも付けできるという法改正が行われました。21年には、義務化も検討されています。
政府が、国民の銀行口座の中身を完全に把握できるようになるわけです。
その狙いは何か。ずばり、個人の資産に対する課税です。
実際、政府では「死亡消費税」というアイデアも検討されはじめています。資産を残して亡くなった方に、消費しなかった分(消費税を払わなかった分)を税金として若干払っていただきましょう、というものです。
棺桶に入った後も税金に追いかけられるなんて、縁起でもありません。
マイナンバー制度がこのまま進化していけば、気付いた時には、社会主義国と大差ない日本の姿があるかもしれません。
「国民のため」を装う
このマイナンバー制度が厄介なのは、「国民のため」を装っていることです。
マイナンバー法が成立した時、目的として掲げられたのは、「国民の利便性」「行政効率化」「公平・公正な社会の実現」でした。
簡単に言えば、「役所の手続きが便利になります」「不正な課税逃れを防げます」ということ。
しかし、「自分は悪いことはしていない」「課税逃れをする輩を取り締まるべきだ」と言っているうちに、人間の持つ基本的人権の筆頭にある「自由」が、少しずつ失われていきます。
自由を守るための哲学が必要
そんな今の日本に足りないのは、「なぜ国民は自由でなければならないのか」という哲学です。
大川隆法・幸福実現党総裁は、著書『未来への国家戦略』の中でこう述べられています。
「 この国が国家社会主義化することを押しとどめ、責任ある自由の領域を拡大する。そして自由からの繁栄の道を開く。信教の自由なくして、国民の基本的人権の根拠もありえない。神仏の子としての尊さが、人間の尊厳の本質だからだ 」
人間一人ひとりが「神仏の子」であり、その自由を奪って支配する権利など、本来、誰にもありません。
国家権力が、遠慮なく私有財産を奪えるシステムを構築しようとしているということは、傲慢の極みであり、神をも恐れぬ所業です。
反マイナンバーの署名開始
マイナンバー制度は、世界中で見直されつつあります。2008年、イギリスでは労働党政権が「国民IDカード制」を導入しましたが、保守党、自由民主党連立政権後、人権侵害にあたるとして廃止され、カードの情報も廃棄されました。
私たち幸福実現党は、自由の哲学を根拠にして、マイナンバーの「偽物の正義」と戦うべく、「マイナンバー制度の廃止を含めた抜本的見直しを求める署名」を開始いたします。
お志ある皆様のご協力を、是非ともよろしくお願い申し上げます。
幸福実現党の新ポスター
新ポスターに込めた心意気
幸福実現党の、新しいポスターのキャッチフレーズは「愛してるから、黙ってられない」です。
愛する日本人の「自由」が失われていくところを、黙って見ていることはできない。だからこそ私たちは、倒れても、倒れても、戦い続けてまいります。