来年からマイナンバー制度が始まる。だが、制度開始前に早くもマイナンバー関連の詐欺、汚職、住民票への誤記載など、事件が相次いでいる。

南関東の70代の女性は、電話で偽のマイナンバーを教えられた上、別の人物からマイナンバーを聞き出された。その翌日「マイナンバーを教えたことは犯罪に当たる」と脅され、現金を騙し取られたという。

沖縄でも、「マイナンバーが始まるので手続きをしなくてはいけない」という嘘の電話があった。幸い、近所の女性が詐欺だと気づいて事なきを得た。

13日には、厚生労働省の職員がIT関連会社から多額の賄賂を受け取っていたことが明らかになった。このIT関連会社は、マイナンバー法の導入が決まった2011年以降、同職員が担当する厚労省の業務を総額10億円以上受注していた。この汚職事件は、マイナンバーをめぐっての大きな利権が生まれつつあることを物語っている。

制度の実施どころか、番号が届いていない段階でこうした事件が起こるようでは、先が思いやられる。