山本昌選手は今季限りでユニフォームを脱ぐ (画像は Andrei Niemimäki/flickr )
「自分で筋書きを作れと言われても難しいぐらいの現役生活を送れましたので、本当に幸せな野球選手だなと思っています」
中日ドラゴンズ一筋の、現役最年長プロ野球選手、山本昌選手がついにユニフォームを脱ぐ。
引退会見で、「悔いはすごくある」と語ったものの、32年の野球人生を振り返る表情からは笑顔がにじむ。
際立つ山本の実績
今年マウンドを去るのは、山本選手だけではない。
中日でともにペナントレースを戦い、2000本安打を達成した和田一浩選手、日本ハムや巨人などの主力として、セ・パ両リーグでMVPを獲得した小笠原道大選手など、「球界の顔」たちが惜しまれつつ引退する。
その中でも、山本選手の実績はひときわ目立つ。
投手として最高の栄誉である沢村賞を1回、最多勝を3回の他、2006年には、41歳という高齢ながらも、ノーヒットノーランを達成。数々の最年長記録を塗り替え、200勝投手としても球史に名を刻んだ。
ドラフト5位の無名選手で、1年目にクビになりかける
ただ、山本選手は初めから将来を期待されていたわけではない。
日大藤沢高校(神奈川県)時代には甲子園出場経験はなく、高校3年生の頃には、教師になるために、日本大学への進学が内定していたほど。
その後、思いがけず中日からプロ指名を受けるも、入団当初はドラフト5位の無名選手で、プロ入り1年目には早くもクビになりかけている。投球フォームは不格好と批判され、球速も130キロ前後と、プロとしては遅い方だ。
厳しいプロ生活を支えた「習慣力」
選手寿命が9年と言われる中、山本選手はなぜこう長く現役で活躍できたのか。その大きな理由の一つに「習慣力」がある。
自らを「凡庸」と自覚していた山本選手は、筋力トレーニングと走り込みを継続。成果が出なくても黙々と練習に取り組んだ。高校時代から始めた2キロのダンベルトレーニングは、30年以上続けている。こうした鍛錬で得た筋力と柔軟性は、ケガの少なさにもつながり、長い現役生活を支えた。
就寝前には、中国の古典関係の本を読み、精神力を養ったという。
大川隆法・幸福の科学総裁は、著書『宗教としての包容力』(会内限定書籍)の中で、「習慣力」についてこう語っている。
『生まれつき頭がいい』とか、『頭の回転が速い』とか、『手が早い』とか、『家にお金がある』とか、『インテリ家庭だ』とか、いろいろなことがあるのかもしれません。ただ、そういうものを全部ひっくるめたとしても、努力して成果に結びつけていく習慣をつくった人のほうが勝つのです。
「平凡からの出発」でも、習慣の力や努力、工夫によって大器晩成することは十分に可能だ。7日に行われる、広島カープ戦が、プロ野球史上初の「50歳登板」かつ、山本選手の現役最後のマウンドとなりそうだ。その雄姿を最後まで目に焼き付けたい。(冨)
【関連書籍】
幸福の科学出版 『天才打者イチロー4000本ヒットの秘密』 大川隆法著
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幸福の科学出版 『サッカー日本代表エース 本田圭佑 守護霊インタビュー』 大川隆法著
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