2014年3月、パリのユネスコ本部でユネスコ事務局長のイリナ・ボコバ氏(右)と握手する習近平・中国国家主席。写真:ロイター/アフロ
2015年10月号記事
戦後70年 日本の誇りを取り戻そう
今度は「記憶遺産」で日本が大ピンチ!
中国のUNESCO「反日歴史戦」のすべて
ユネスコを舞台に、中国が繰り広げる「反日歴史戦」――。ユネスコ記憶遺産の最終審議が10月に迫る中、中国の歴史ねつ造の全貌が明らかになってきた。今回はその主なポイントと、積極的に反対の声を上げてきた幸福実現党の主張をまとめた。
(編集部 山下格史、中原一隆、遠藤明成)
中国の歴史ねつ造に反論し続けてきた幸福実現党。上は2014年7月、東京都内で行った、中国の記憶遺産の申請に抗議する1700人規模のデモ。下は今年7月、安倍首相に「河野・村山談話」の無効を宣言する「戦後70年談話」を求め、提出した、全国で集めた約33万筆の署名。
中国が「南京大虐殺」「従軍慰安婦」資料をユネスコ記憶遺産に登録申請している。その最終審議が10月に行われる。審議に精通しているユネスコ関係者の中には、「中国の申請は却下すべきだ」とする人物もいる。
だが日本は安心してはいけない。最終審議はIAC委員14人が多数決を採り、その結果を受け、最終的にユネスコ事務局長のイリナ・ボコバ氏が登録の可否を決める。そのボコバ氏に、中国はすでに根回しを済ませている。
習近平・中国国家主席は昨年3月、パリのユネスコ本部を訪れ、ボコバ氏と会談(上写真)。その後の演説で習氏はこう述べた。
「中国は、ユネスコの『万里の長城』奨学金制度やアフリカ信託基金への貢献を拡大・継続していく」
その3カ月後、中国は先の資料を申請したが、この用意周到な外交に日本は対抗できるのか。今、中国の「歴史戦」が、一つのクライマックスを迎えようとしている。
そもそも解説 ユネスコ記憶遺産と世界遺産の違いとは
ユネスコ記憶遺産をめぐる中国と幸福実現党の戦い
マスコミが報じない戦後70年の「日中の歴史戦」