人間の情報処理速度は、ある遺伝情報の変化と関係していると、イギリスのエディンバラ大学のイアン・ディアリ教授らが研究結果を発表した。デイリー・メールがこのほど報じた。

情報の処理速度が遅いのは遺伝子のせい!?

被験者は12カ国から選ばれた45歳以上の男女3万人。研究者たちは認知機能を調べるテストを行い、その結果をそれぞれの被験者が持つ遺伝情報に基づいて分析した。被験者はいずれも認知症ではない。

この実験により、細胞間の情報伝達に関係するCADM2と呼ばれる遺伝子付近に変異が見られる人は、総じて情報処理速度が遅いことが明らかになったという。

ディアリ教授は、「自閉症や人格的特徴にも遺伝子が関係していることが分かり、興味深い」と語っている。

研究者たちによれば、今回の研究結果は、脳の機能の仕組みを理解したり、精神疾患が悪化する原因を特定することに役立つという。

頭の良さは必ずしも先天的なものではない

遺伝学の発達により、遺伝子と記憶力や思考力などの「脳力」の関係が明らかになれば、科学的恩恵を受けることもあるだろう。ただ、人間の思考力や頭の良さは生まれつき決まっていると言えるのか。

例えば蓄音機や白熱電球の発明で知られる、発明王エジソンは、幼いころから好奇心旺盛だったが、小学校を3カ月で退学しており、生まれつきの秀才型ではなかった。相対性理論で有名な20世紀を代表する物理学者であるアインシュタインも4歳まで言葉を話すことができなかったという。子供の頃に能力が低くても、努力を重ね、大きな成功を収めた偉人は多い。

努力の本当の意味は霊的人生観で裏付けられる

人間はこの世とあの世を転生輪廻し、魂を磨いている存在だ。人間の本質は魂だが、肉体に宿っている以上、遺伝子が受け継いだ肉体の特徴は確かにある。ただ、遺伝学が全てと考えることによって、運命論で人生が決まってしまうように捉えては、自助努力しない人間が増えかねない。

努力の本当の意味は、この世とあの世を貫く霊的人生観によって裏付けられる。

努力の意味について、大川隆法・幸福の科学総裁は、著書『青春の原点』(幸福の科学出版刊)で、こう語っている。

「運命はあるとしても、それとは別に、やはり、自分でやっていかなければならない部分があります。『自分自身による創意工夫や発見』『自分を律していく心』『自分を強く、たくましく、勇ましく、育てていく心』、こういうものが、大きな成果を生み、みなさんが、来世で、あの世に還っていくときに、大きな光の塊となるための肥やしになるのです」

遺伝子をベースにできている肉体は、あくまでもパソコンのような機械にすぎず、どういう文章をつくりたいのかという思いや考えは、遺伝子からは出てこない。どんな遺伝子を持っていようとも、この肉体は神様からの授かりものと思って、努力し続けていくことが大切だ。(冨)

【関連書籍】

幸福の科学出版 『本当に心は脳の作用か?』 大川隆法著

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幸福の科学出版 『進化論―150年後の真実』 大川隆法著

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幸福の科学出版 『青春の原点』 大川隆法著

https://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=128

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