中国・青島でこのほど開かれた「西太平洋海軍シンポジウム」において、小野寺五典防衛相は、火器管制レーダー照射などの武器照準を合わせる行為を禁じる行動規範を定めることに合意した。シンポジウムには日本、アメリカ、中国や東南アジアなど21カ国の海軍当局のトップが参加した。

この背景には、中国の強引な海洋進出がある。昨年の1月30日には、日本の護衛艦が中国海軍の艦船からレーダー照射される事件も起きた。中国海軍のフリゲート「連雲港」からレーダー照射を浴びた日本の海自護衛艦「ゆうだち」は回避行動をとったが、レーダー照射はその後も数分間続けられた。当初、中国はレーダー照射に関して「知らなかった」の一点張りだったが、後に政府の関与が明らかとなった。

このレーダー照射は非常に危険な行為だ。軍艦のレーダーには主に2種類ある。周りの艦船や漁船の位置を捉えることを目的とした監視用レーダーと、ミサイルなどを発射するための攻撃用火器管制レーダーだ。昨年、日本との間で起きた中国海軍レーダー照射事件で照射されたのは攻撃用であり、ボタンひとつでミサイルが飛んでくる危険があった。いわば、こめかみに銃をつきつけられている状態と同じだ。

火器管制レーダーを照射された場合は、照射された側が先に攻撃をしても国際法上問題がないことになっている。今回の行動規範の策定は、戦争をする気がないのに火器管制レーダーの照射によって、戦争状態に突入することを未然に防ぐためには一定の意味があると言える。しかし、そもそも日本は憲法9条によって、相手が攻撃して来ない限り、先に攻撃することができない。

今回のようは行動規範を決めることも大切だが、日本においてはまず、早急に憲法9条の改正を行わなければならない。一日でも早く独立国家として当たり前の自衛権を行使できる国になるべきだ(徳)

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