専門家がアドバイス - 悪質な投資話から身を守る知恵

専門家がアドバイス - 悪質な投資話から身を守る知恵

 

2014年1月号記事

 

専門家がアドバイス

悪質な投資話から身を守る知恵

 

 

アベノミクス効果で株価が上昇し、景気回復の兆しが見られるなか

個人による資産運用も活発になっている。

その一方、悪質な投資話が増えていることにも注意したい。

大切な資産を守るポイントについて専門家の話を聞いた。

 

 

 昨年12月の政権交代を経て、日経平均株価は急上昇し、5月に1万5942円を記録。景気回復への期待から個人投資も活発になっている。主に個人を顧客とするネット証券大手5社は9月中間決算で大幅な増収・増益となった。

 だが一方で、悪質な投資勧誘も増えている。国民生活センターが今年度に「ファンド型投資商品(注)」に関して受けた相談は、9月30日時点で8013件。前年同期と比べても2割以上増えている。

 知人や友人を介した投資話でトラブルになるケースも多い。元プロ野球選手の金本知憲さんは、知人に「競艇の場外舟券発売所の建設」などを名目に1億7680万円をだまし取られた。裁判で知人は「事業の投資のために現金を預かったが、だますつもりはなかった」と主張。しかし、さいたま地裁は10月末、「信頼を裏切って現金を詐取したのは巧妙で悪質」と懲役8年の判決を言い渡した。

 知人・友人であっても、だますつもりがなくても、投資にまつわるトラブルは絶えることがない。

 

 

投資は預貯金のように必ず返ってくるものではない

投資に関する注意点

●「絶対儲かる」話に飛びつかない

●なけなしのお金で投資しない

●取引内容の文書化を避ける相手に投資しない

●振込みをせかすものへは投資しない

●事業内容を理解できないものに投資しない

 投資話をもちかけられた際に、まず押さえておくべきは、「投資したお金は全部は戻ってこないことがある」という前提だ。事業が成功すれば配当が出るが、失敗すれば当然損失が出るからだ。

 大手証券会社に25年間勤め、ベンチャー投資など様々な業務を担当してきたAさんは、次のように指摘する。「たとえば、我々プロでもベンチャー企業へ10社投資して3社株式公開できれば大成功です。投資する側が、経営のアドバイスをできるぐらいでないとうまく行きません」。

 また、フィナンシャル・プランナーのゆりもとひろみさんは、「一般的に、一つの金融商品への投資は、10年くらい使わなくても生活できる余裕資金のうち、3分の1以下に抑えるのが無難です」と話す。なけなしのお金や生活資金を削って投資するのは極めて危険ということだ。

 また、「値上がり確実」だったり「絶対に儲かる」ことはありえない。このような甘い言葉での勧誘は、法律でも禁じられている。「絶対に儲かる事業なら、個人に小口の投資を頼む前に、銀行などプロに融資を頼んでいるはず。そうなっていないのはなぜか、冷静に考えるべきです」(ゆりもとさん)。

 知人同士でも、注意が必要だ。多くの投資トラブルの相談を受けている弁護士Bさんは、「投資」という言葉の解釈でトラブルになるケースが多いと指摘する。

「『投資』といってお金を出して『貸した』つもりの人もいますが、受け取った側は『投資なので返す義務はない』と言う。口約束だと、言った、言わないの問題になりがちなので、必ず書面でやり取りすべきです。書面にすれば、第三者への相談もしやすくなります」

 つまり、相手が書面にしたがらない場合は、投資を控えたほうがいい。また、とにかく焦らせて投資業者名と異なる振込み先や、個人口座に高額のお金を振り込ませようとする場合は、詐欺の可能性を疑ったほうがいい。

「トラブルのほとんどは、知識や経験がないのに自分だけの判断でお金を出すケースです。専門家に確認すればトラブルの多くは防げます」(ゆりもとさん)

 投資話は資産のある高齢者や、主婦がターゲットにされやすい。また、高収入の医師や公務員が被害に遭うケースも多いという。

 たとえ商品に詐欺性がなくても、会社の経営者が詐欺師の場合もある。専門家に、その会社の財務諸表なども合わせて相談し、経営に無理がないかどうかを確認する必要がある。友人など親しい人に勧められたとしても、最後は自分の責任としなければならない。「企業に投資するなら、社長と直接会い、話を聞いてから判断するべきです」(証券会社Aさん)。

 五輪やエネルギー資源など時流に乗ったものの名称を冠する商品や、聞きなれない会社の社債やファンドなどは、会社の実態や儲かる仕組みを理解できないのであれば、投資は避けたほうがいい。

 

 

トラブル時には早めの相談を

 すでに投資詐欺やトラブルに巻き込まれてしまった場合は、何よりも早く相談することが重要だ。国民生活センターや地域の消費生活センター、金融庁では、詐欺商品やトラブルの相談に乗ってもらえる。弁護士への相談も有効だ。「まれなケースですが、おかしいと気づいてすぐ相談した結果、お金が戻ってきた例もあります」(弁護士Bさん)。

 そもそも投資は、企業を資金的に支えて成長させることで、社会にいい商品やサービスを広げるところに意義がある。トラブルから身を守るためにも、「お金を儲けたい」という欲望が先行し、身分不相応の投資に手を出さないよう用心が必要だ。

 

(注)複数の出資者から資金を集め、それを元手に事業・投資を行い、得られた収益を出資者に配分するもの。

 

 

相談先の例

●国民生活センター消費者ホットライン

(受付時間は地域によって異なります)

0570─064─370

●金融庁の金融サービス利用者相談室

(平日10:00~17:00)

0570─016811

03─5251─6811(IP電話・PHSはこちら)

●最寄りの警察署・交番

 

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タグ: 2014年1月号記事  投資  悪質な投資  株価  儲け話  資産  

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