山口県岩国市の米軍岩国基地で21日、新型輸送機MV22 オスプレイの試験飛行が始まった。オスプレイには離陸時の風などに対する制御が弱いなどの問題はあるものの、輸送ヘリと小型輸送機を兼ねる垂直離着陸機としての機能や、ヘリでは実現不可能な高速移動性は非常に高く評価されるものだ。

尖閣諸島周辺に中国海軍の軍艦が展開するなど緊張が高まっているが、まさに尖閣問題への対処にこのオスプレイは欠かせない。現在配備中のCHシーナイトは行動半径が約140キロで、空中給油機能がないため、「尖閣有事」には対応できない。これに対しオスプレイは空中給油なしで半径約600キロを移動でき、尖閣諸島を軽くカバーできる。空中給油すればさらに行動範囲は広がる。

日本は過去に導入したイージス艦やF-15戦闘機、パトリオットやAH-64アパッチ・ロングボウなどをライセンス生産や独自の開発で改良させ、性能を向上させてきた実績がある。日米同盟の堅持と発展のためにも、中国や北朝鮮などの脅威に対抗するためにも、日本は装備品としてオスプレイの導入を進めるのは当然のことで、すぐにでも導入を決定するべきだろう。

野田首相が尖閣諸島の警備に「万全の態勢で臨む」と言うのであれば、まさに今が決断の時だ。(弥)

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