宇宙開発で大不況を乗り切れ カギを握る「宇宙」というフロンティア

宇宙開発で大不況を乗り切れ カギを握る「宇宙」というフロンティア

 

《本記事のポイント》

  • 米民間企業の宇宙産業の参入も、官主導のイノベーションがあったから
  • 2030年に「宇宙強国」になるという目標に向けて邁進する中国
  • 大川総裁は25年前に、日本は月と火星での植民都市建設を国家目標にすべきと指摘していた

 

 

アメリカの宇宙開発企業「スペースX」が5月末、開発した有人宇宙船「クルードラゴン」の打ち上げに成功した。

 

2011年に運用を終えたNASAの有人宇宙船スペースシャトル以来、9年ぶりの有人宇宙船の打ち上げ成功となった。

 

この9年間、国際宇宙ステーション(ISS)への飛行士の輸送は、ロシアの宇宙船に依存。ロシアの協力なくして、人は宇宙に行けなくなっていた。

 

ロシアにとって、有人宇宙船に宇宙飛行士を乗せるのは、外貨獲得の一つの手段。ロシアの宇宙船に乗るには、各国は一人あたり15億円支払う必要がある。アメリカは2011年以降、合計で35億ドル(約3710億円)をロシアに支払ってきたといわれている。

 

ロシアはアメリカにとって戦略的競争相手。そんな相手に頭を下げて、宇宙飛行士を乗せてもらうという"恥ずかしい"状況に終止符を打ったのが、今回の打ち上げだ。

 

ケネディ宇宙センターに駆け付けて打ち上げを見届けたトランプ米大統領は5月31日、「わが国は宇宙への大胆かつ輝かしい復帰を果たした」「アメリカの大志の新たな時代が、いま始まった」と誇らしげに宣言した。

 

無事に帰還するところまで見届ける必要があるが、アメリカにとって、威信を取り戻す着実な一歩となったのは確かだ。

 

 

民の前に官主導のイノベーションが先導したアメリカ

ロシアに先を越されたかに見えたこの9年間、アメリカは座して待っていたわけではない。

おびただしい数の民間企業が宇宙産業に進出するようになった。

 

宇宙産業の経済規模は、2024年までに年間50兆円規模になるという見積もりもある。これは経済的利益を狙ってのことでもある。

 

経済学者のマシュー・ヴァインツィール氏は、「宇宙:最後の経済的フロンティア(Space, the Final Economic Frontier)」と題する論文の中で、有名なスペースX、ブルー・オリジン、ヴァージン・ギャラクティックの他にも、人工衛星に専用の測定器を載せ、地球を観測するリモート・センシング技術の会社など、数十の民間企業を列挙している。

 

民間が優位に見えるアメリカだが、官である政府も重要な役割を果たしてきた。

 

宇宙空間は、陸・海・空に加えて新たな戦闘空間になりつつある。ロシアと中国との競争で負けるわけにいかない。このため米政府は、民生用と軍事用のどちらにも使える技術に関して、戦略的技術を獲得し推進する政策を採ってきたのだ。

 

そのきっかけとなったのは、1957年の「スプートニク・ショック」だ。旧ソ連が人類初の人工衛星「スプートニク1号」の打ち上げに成功すると、アメリカをはじめ西側諸国に衝撃が走った。

 

このスプートニク・ショックを受けて翌年設立された米国防総省に所属する資金配分機関である国防高等研究計画局(DARPA)は、戦略的技術の開発について、民間企業に賞金を与えるなどして公募を行い、数多くのイノベーションを生み出してきた。

 

 

DARPAを見習い、国の予算で宇宙開発に投資する中国

このDARPAのやり方を見習った中国は、国家予算を投じて宇宙開発に資源を投じてきた。

 

その成果が実り、2019年のロケット打ち上げ回数は38回にも及び、アメリカの打ち上げ回数の34回を超えた。

 

中国は2022年までに、宇宙ステーションを稼働させる予定で、2019年1月には、人類で初めて「月の裏側」に月探査機「嫦娥4号」を着陸させてもいる。

 

2030年にアメリカなどと肩を並べる「宇宙強国」となるという国家目標を掲げているが、その実現に向けて、毎年目標を前倒しして達成しているのだ。

 

第二のスプートニク・ショックは起きている。

 

 

月と火星に植民都市を建設する国家目標を

こうした情勢の中でも、日本には有人宇宙船を打ち上げる計画はなく、本格的な宇宙開発には及び腰に見える。

 

だが、日本の技術力は高いことで知られている。宇宙ステーションの補給機「こうのとり」(HTV)は、見る人が見れば、キラー衛星にも使える能力を持ったものだ。

 

また2019年には、日本だけで6回のロケットの打ち上げを成功させている。ヨーロッパは全体で11回のロケットの打ち上げに成功したが、それと比較しても見劣りしない。

 

足りないのは「国家目標」とそれを達成する「戦略」である。

 

大川隆法・幸福の科学総裁は、今から25年前の1995年の講演「愛、悟り、そして地球」の中で、日本は「国家百年の計」を持つべきだとして、こう述べた。

 

私は、『二十一世紀中に、つまり今から百年以内に、月と火星に植民都市を建設する』ということを、日本は国家目標として持つべきだと思います。

 

宇宙時代に向けて、大きく踏み出すべきです。宇宙に踏み出すことによって、地球という星の持つ意味、地球の豊かさや大自然の意味、そこに幸福に暮らすことの意味が、よくわかるようになるでしょう。

 

人口は百億人に向けて増えていきます。どこかでその出口をつくっておかなくては、新しいフロンティアをつくっておかなければ、再び、お互いに戦争をしたり、病気が流行ったり、天変地異が起きたりと、いろいろなストレスが起きて、地球上に問題がたくさん出てくると思います」(『愛、悟り、そして地球』)

 

また、「宇宙開発事業債」を発行して宇宙開発のために投資を行えば、大恐慌を止められるとして、こう訴えた。

 

二十一世紀の前半においては、まず、宇宙ロケットの開発と、宇宙ステーションをつくることが大事でしょう。後半には、実際に植民都市の建設をすることです。もちろん、日本だけではなくて、国際協力のもとに行なってもいいと思います。そのぐらいの考えを持ったほうがいいと思います。

 

みなさんの孫や曾孫の時代には、週末には月へ保養に行き、夏休みには火星探検をする──そのぐらいの『国家百年の計』を持てば、この地球が狭くなって、ストレスが増えている現代において、未来への夢も出来てくるのではないでしょうか。

 

首都の遷都問題ぐらいでは、少し話が小さいと思います。月や火星の植民都市を、二十一世紀にはつくりましょう。

 

日本の国民は、まだお金を持っていますから、『宇宙開発事業債』でも発行して、百年後に償還することとし、『どんどん月や火星に別荘を持ちましょう』と呼びかけ、資金を集めてはいかがかと思います。これを発表すれば、大恐慌は一発で止まります」(同著)

 

日本ではコロナ禍を受けて緊急事態宣言が出され、第2四半期の経済成長率はマイナス20%台になるとも予測される。その対策費として約90兆円にも及ぶ国債を発行するが、バラマキ目的で使われれば、富を生まず、将来のGDP成長率を押し下げかねない。いまのところV字回復のための戦略は描けていない。

 

また、新型コロナウィルスは、2050年までに100億人に向かって増大する人口に対して地球意識が流行らせている可能性もある。

 

宇宙安全保障のみならず、経済・人口問題においても解決のカギを握るのが、宇宙というフロンティアである。

 

宇宙飛行士の毛利衛氏は、スペースシャトルから地球を眺めて、「宇宙からは国境線が見えなかった」と述べている。宇宙旅行が自然になれば、「地球という星の意味」、そしてそこで幸福に暮らすことの意味がきっと分かるようになるはずだ。

 

私たちの子供の代で、週末には月へ保養に行き、夏休みには火星探検をする、そんな時代を実現したい。

(長華子)

 

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