「武士の国」に戻る革命 ─戦後75年、日本は「独立」する - 編集長コラム

「武士の国」に戻る革命 ─戦後75年、日本は「独立」する - 編集長コラム

写真:AFP/アフロ

 

2019年9月号記事

 

編集長コラム Monthly  Column

 

「武士の国」に戻る革命

―─戦後75年、日本は「独立」する

 

 トランプ米大統領が6月末、インタビューで日米安保条約について「不公平だ」などと語り、日本に衝撃が走った。

「日本が攻撃されたら我々は第3次大戦を戦うことになる。(中略)我々の命と財産をかけて戦い、彼らを守る。(中略)彼らはその攻撃をソニーのテレビで見ているだけだ」

 安倍晋三首相は「米軍基地を提供し、駐留経費を出している」と反論。しかしトランプ氏の主張は「アメリカの若者は血を流し、日本人が見ているのは卑怯ではないか」ということで、かみ合っていない。

 

写真:AFP/アフロ

 

 

世界唯一の「片務」同盟

 そもそも「同盟」は、同盟相手が攻撃されたら助太刀する約束であり、いざというときには互いに軍人が命を投げ出して戦う運命共同体だ。それによって敵国の軍事行動を抑止できる。

 ただ、日米安保は普通の同盟とは異なっている。

 米軍の占領中の1951年に結ばれ、日本を防衛すると同時に、極東の治安を維持する。「世界の警察官」というアメリカの役割の一部を形づくっている。

 日本は基地を提供するが、日本も含む極東の安定はアメリカ頼み。米軍が攻撃されても日本は防衛しなくていい「片務的」なもの。他のアメリカの同盟国は韓国も欧州諸国も互いに防衛する義務がある。日米安保は「双務的」でない世界唯一の同盟だ。

 1950年からの朝鮮戦争前後にアメリカは日本に対し、戦力と交戦権を持たないとした憲法9条の改正と「再軍備」を要請したが、吉田茂首相が拒否。「軽武装・経済重視」の「吉田ドクトリン」が戦後変わらず継承されてきた。自衛隊は最低限に抑え、国防は「番犬」のアメリカに頼る。「他国の軍人は死んでもいいが、日本人は死にたくない」という"卑怯"な生き方を選んだ。

 ただ、それも年々変化しており、冷戦後、日本の防衛については自衛隊の役割が大きくなった。2015年、「日本の存立が脅かされる場合」など条件つきで集団的自衛権を認め、米軍が攻撃されたら日本も助太刀できるようになった。つまり、「片務性」は薄まってきている。

 

 

国防を"外注"する「保護国」

 しかし、歴史の中に位置づけてみると、日本は他国の軍事的な庇護を受ける「保護国」と言わざるを得ない。

 隣の朝鮮の国は7世紀の新羅の時代から中国の軍隊を引き入れるなどして国防を"外注"してきたが、戦後の日本はそれとほとんど同じ状態にある。

 よく言っても、外国人の傭兵を雇って防衛した前5~2世紀の通商国家カルタゴに近い。

 人間には自分の人生をどう生きるかを意思決定する「主体性」があるが、日本は「主権」の一部を放棄し、自国の運命を他国に委ねている。

 これはアメリカから見れば明確で、共和党・民主党とも「日本に核を持たせない」政策を貫いてきた。日本には自立した防衛力を持たせず、アメリカに軍事的に依存させ続けるねらいだ。

 現行憲法はアメリカが「保護国」の日本に出した命令であり、在日米軍は「宗主国」の軍隊ということになる。

 

 

トランプ氏が戦後体制を壊す

 トランプ氏は2016年の大統領選中、日米安保の「片務性」見直し、日本の核保有の容認を主張した。就任後もトランプ氏は安倍首相に「9条改正、核保有、空母保有」を要請。それを本誌は17年12月に報じた。

「独立国になれ」と日本に要求するアメリカ大統領が戦後初めて登場したことになる。

 トランプ氏の同盟国に対するスタンスは「アメリカに依存しすぎず、自国の防衛にもっと責任を負うべきだ」というもの。NATO諸国や中東・アジアの同盟国に「自立」を求めている。

 トランプ氏は日本を「保護国」に位置づける戦後体制を壊そうとしている。オバマ前大統領はアメリカの国力低下を反映し、「世界の警察官ではない」と宣言していた。次に民主党の大統領が出てきても、日本に自立を求める流れは変わらないだろう。

 

5月に横須賀基地を訪れたトランプ大統領。日本に「自立」を求めている。写真:AP/アフロ。

 

 

「改憲やるやる詐欺」

 トランプ氏は6月末のG20後の記者会見で、日米安保は「不公平」で「変えないといけない」と「半年間、安倍首相に伝えてきた」と語った。一方の安倍首相は、トランプ氏からの憲法改正や安保見直し、核保有などの提案を隠し続けている。

 憲法改正できる衆参3分の2の議席を確保していても、改憲より消費税増税を優先。保守系識者からは、「自民党は『憲法改正やるやる詐欺政党』と思えてきた」という声が挙がる。

 自民党の改憲案は、公明党案をそのまま取り入れ、9条の「戦力不保持」「交戦権否定」を残し、自衛隊を明記するだけ。これでは「独立国」にはなれない。公明党に配慮し、中身のない改憲案を掲げること自体、政権維持を自己目的化している。

 中国の軍事力は、この数年で通常戦力でも日本を圧倒するようになった。第4世代以上の高性能の戦闘機を日本の3倍も保有。中国は1千発以上のミサイルを列島に撃ち込めるが、日本はゼロ。中国の核兵器約300発に対し、これも日本はゼロ。

 このままではアメリカの戦力をも抜き、日本が中国の「植民地」になる時代がやって来る。安倍政権は憲法改正をいつでもでき、米大統領の要請もあったのに手をつけなかった。政権維持のために「国を売った」と言われても仕方がない。

 

 

自国の運命を開く「革命」

「安倍首相も含めた戦後体制」から脱却する「革命」が要る。首相を応援する保守系メディアも現状維持を選んでいるので、「旧体制」の一部だ。

「革命」は、中国では天帝の考えに反した皇帝の交代。日本で言えば、日本を守り繁栄させてきた神々の意向に反する為政者の交代であり、国民を不幸にする指導者の排除だろう。

 西洋の文脈で「革命」の意味は、哲学者アーレントの言う「自国の運命を自ら決め、開く『自由の創設』」にある。アメリカは18世紀までイギリスの植民地だったが、自分たちの代表を議会に送っていないのに、本国が勝手に次々と重税をかける。そのため、「自分たちで国づくりをやりたい」と独立戦争に立ち上がった。

 ワシントンら建国の父たちは、至高神がアメリカを導いていることを深く信じ、劣勢のなか捨て身で戦い、独立を勝ち取った。

 

 

日本に残る"植民地支配"

 日本の明治維新も「自由の創設」だった。東アジアにも欧米による植民地支配が迫り、日本は「白人に国家の運命を握られる」危機を跳ね返すため、近代国家建設に突き進んだ。日清・日露戦争、大東亜戦争を戦い、人種差別の世界を終わらせた。戦後、アジア・アフリカの国々が独立し、自国の運命を決められるようになった。

 その原動力は、維新の志士たちの日本の神々への信仰心と、日本を愛する心、神々の心を体現しようとする自己犠牲的な行動だった。天照大神を深く信じ、日本の精神性の高さを語り、身を滅ぼしても道を開いた吉田松陰はその象徴だ。

 しかし世界の植民地を終わらせたのに、今の日本には軍事面で"植民地支配"が残っている。

 

 

「独立」のための憲法改正は?

自民党
9条に「自衛隊」を明記
公明党
自民党案を慎重に議論
日本維新の会
教育無償化を盛り込む
立憲民主党
自民党案には反対
国民民主党
自民党案には反対
日本共産党
反対
社民党
反対
幸福実現党
9条を「抜本改正」し防衛軍創設

 

 

「独立国」への道

 自国の運命を自ら開く「独立国」となるには、トランプ氏が言う通り、「憲法9条改正、核保有、空母保有」「日米安保見直し」が必要だ。

 9条改正によって、戦力と交戦権を認め、自衛隊を防衛軍とする。他国侵略をしない「専守防衛」は当然としても、防衛的な兵器しか持てない制約を解かれ、抑止力として有効な武器を持てるようになる。

 日米安保は、集団的自衛権を制約なく認めることで「双務的」な同盟となる。もちろんアメリカをいつどこで助太刀するかは日本の国益に基づいて判断する。米軍の日本駐留は抑止力としても、「世界の警察官」の兵站基地としても重要だろう。ただ、トランプ氏は対等な同盟を求めており、基地"大再編"は十分あり得る。

 

 

強い外交を支える核保有

 核保有は、「独立国」として強力な外交・防衛能力を持つために不可欠であり、現代では大国の条件でもある。

 中国は米軍を西太平洋から追い出し、日本や台湾、東南アジアを支配下に組み込もうとしている。これを阻止するには、有事に中国軍を東シナ海に封じ込め、他国侵略の「悪」を犯させない態勢をつくらねばならない。

 日本としては、中国軍の艦艇を沈めるミサイルのほか、中国側のミサイルや戦闘機、ドローンの機能を奪う電子戦兵器などを増強する。日本に「血を流して戦う」態勢ができて初めて、アメリカが助太刀する気になる。この態勢が確立されれば、中国は簡単に台湾・南西諸島侵略に動けなくなる。

 この中で核保有は日本を守る最後の砦だ。トランプ氏が「核を持て」と勧めるのは、アメリカの「核の傘」が提供されない事態を想定しているからだろう。日本の核保有は、中国の核の脅しに屈し、「植民地」にされる最悪の展開を回避させる。

 空母保有は、中東からのシーレーン(海上交通路)の防衛に必須。トランプ氏は「なぜアメリカが他国のために無報酬で航路を守っているのか」と不満を語っているので、最優先の「インフラ投資」として進めたい。

 先の参院選を戦った政党の中で、幸福実現党が唯一、日本が「独立国」となるためのこれらの政策を掲げていた。

 

 

「武士の国だろう?」

 戦後日本の「吉田ドクトリン」は、「お金儲けができればいい。血はアメリカ人に流してもらう」ことを国是とした。そんな卑しさ丸出しの国を日本の神々が許すわけがない。日本人が信仰心と愛国心を取り戻し、神々の心を受けて自己犠牲的な行動を起こすかどうか。精神的な「独立」が問われている。

 幸福の科学の大川隆法総裁は、著書『危機に立つ日本』でこう述べている。

世界第二の経済大国になって、まだ、国連頼みやアメリカ頼みで、すべてを委ね、自分たちでは何も考えない。判断しない。善悪について考えることもできない。正義について語ることもできない。他国が悪を犯したときに、それについて、コメントすることさえできない。

 この状態は、まことに、まことに、『この国が植民地になる以前に、精神的に植民地のままにある』ということを意味しているのです

 トランプ氏はしばしば安倍首相に、「日本はウォリアー(武士)の国だろう? その精神はどこへ行ってしまったんだ?」と語っているという。

 来年は戦後75年。「武士の国」に戻る「革命」を成し遂げる時が迫っている。それによって日本の運命と同時に、アジアの他の国々の運命も開くことができる。

(綾織次郎)

 

写真:AP/アフロ

 

戦後75年日本の「独立」革命

憲法9条改正
防衛軍を創設
日米安保改定
集団的自衛権の制約を外す
核装備
自主的な外交・防衛能力を持つ
空母保有
シーレーンを守る

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「武士の国」としての精神的な「独立」

 

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