2017年3月17日、アメリカのトランプ大統領とドイツのメルケル首相がホワイトハウスで初の共同記者会見を行った。写真:ロイター/アフロ

2018年11月号記事

ニュースのミカタ 1

国際

岐路に立つドイツのメルケル首相

EU、中国の同時崩壊を狙うトランプ

トランプ米大統領とメルケル独首相の冷え切った関係が続いています。2017年3月の初会談以来、会うたびに対立が深まっている模様です。

EUというグローバリズム

その一つの理由が、「EUというグローバリズム」。EUは加盟国間の国境をなくし、政治・経済運営の統一を目指してきました。その中でメルケル氏は、内戦や経済難などが相まって、中東やアフリカから大量の移民が押し寄せた2015年、「100万人の難民を受け入れる」と宣言。難民数のEU加盟国への強制割り当ても提案しました。

これが国内外からの反発を招き、ヨーロッパ中で「国境を取り戻す」動きに拍車をかけたのです。

まず、イギリスが2016年、国民投票でEU離脱を決定。ドイツでは右派政党「ドイツのための選択肢」の支持率が上昇。ポーランド、オーストリア、イタリアでも右派が政権を握りました。