左から、野村昌央、釈党首、水野善丈

2017年3月号記事

幸福実現党 党首

釈 量子

(しゃく・りょうこ) 1969年、東京都生まれ。國學院大學文学部史学科卒。大手企業勤務を経て、幸福の科学に入局。本誌編集部、常務理事などを歴任。2013年7月から幸福実現党党首。 釈量子 公式ブログ shaku-ryoko.net/

幸福実現党
広島県第3選挙区支部長

野村昌央

(のむら・まさてる) 1982年、広島県広島市生まれ。広島県立安古市高等学校、広島国際大学医療福祉学部卒。HS政経塾第6期生。塾では、主に医療改革・社会保障について研究。衆院選広島県第3選挙区で活動している。

幸福実現党
広島県第2選挙区支部長

水野善丈

(みずの・よしひろ) 1991年、広島県廿日市生まれ。広島県立廿日市高等学校、愛媛大学工学部情報工学科卒。HS政経塾第5期生。塾では、主に「自由を守る税制」について研究。衆院選広島県第2選挙区で活動している。

広島市内にある「原爆ドーム」。

釈量子の志士奮迅

特別編

「逆転の広島」は、野球で終わりじゃない!!

広島県で活動する幸福実現党の若きホープ2人と、広島の未来について語りました。

釈党首(以下、釈): 2人が、政治家を目指したきっかけは何ですか。

水野氏(以下、水): 2009年の4月、ちょうど高校3年生で受験勉強をしているころでした。「自分は将来、何をしようか」と考え始めた矢先、日本の上空を北朝鮮のミサイルが横切ったんです。でもテレビを見ると、政治家もマスコミも「飛翔体」と呼んでいた。北朝鮮が「人工衛星発射実験」と発表していたことに配慮していたのです。

それでも、「さすがに日本政府は安全保障強化に向かうだろう」と思っていました。ところがその夏、衆院選で政権を取ったのは、民主党。北朝鮮や中国との「友愛」を謳う党が、圧倒的支持を集めたんです。ミサイルへの危機感は、たったの4カ月で忘れられていました。

「誰も何もしなければ、世の中は変わらない」という恐怖を感じました。だから政治家になろうと決意したんです。

大学に入ってからは、授業が休みの日に、駅前で「安全保障強化を始めないと手遅れになる」と街頭演説をするようになりました。

釈: この数年の間に、北朝鮮はミサイル技術を着々と進歩させて、アメリカに核ミサイルが届く一歩手前まで来ています。野村さんはどうですか。

野村氏(以下、野): 高校を卒業するときに、「みんなを守る!」と言って、意気揚々と自衛隊に入った友人がいたんです。私は彼の後ろ姿を見て「自衛隊は必要だ」と思えるようになりました。

それから2年後、久々に会った彼が「もう辞めようと思う」と言ってきたのです。驚いて理由を訊くと、「毎週土日になると、駐屯地の入り口でたくさんの人が、プラカードを持って、『殺人集団なくせ!』『自衛隊はいらない!』と叫ぶ。自分はいったい、何のために厳しい訓練をしているのか分からない」と言うんです。悔しくて、悔しくて、彼みたいな男を、もっと尊敬できる国にしたいと思った。それが、大きなきっかけです。

釈: 自衛官は、日本で最も尊い職業の一つだと思います。

学校に愛国心と学力を取り戻す

釈: 国防否定の根本には、先の大戦に関する自虐史観教育があります。2人が、広島で受けた教育はどうでしたか?

水: 先日、小学校時代の卒業アルバムを開いていて驚きました(右写真)。クラス紹介の写真で、先生が黒板に「日本が侵略した」と書いている。よりによって、アルバムに載せますかね(苦笑)。

野: 私の小学校では、音楽の教科書の「君が代」の歌詞が載っているページの上に、違う歌の歌詞を貼らされました。

小学校の卒業式などでも、国歌は流れますが、誰も歌わないんです。その後、サッカーのW杯で選手が歌っているのを観て、「国歌って歌うものなんだ」と初めて知りました(笑)。

カープの本拠地「Mazda Zoom-Zoom スタジアム広島」west/PIXTA(ピクスタ)

釈: 広島の歴史教育の実態は、しっかり検証するべきですね。

広島の小学校では、「カープ教育」なるものが行なわれているそうですね。広島カープについて調べることで、郷土愛を育むもの。同じように、教育次第で、日本を好きにすることも、嫌いにすることもできますね。

広島の教育と言えば、広島の教育長を務めた寺脇研氏が有名ですね。「詰め込み教育はよくない」と主張して、「ゆとり教育」の旗振り役をした文部科学省の元官僚です。広島県でも、入試制度を実質的に廃止しようとしたりしました。

野: 「ゆとり教育」が始まるまで、広島の公立学校は日本でもトップ3に入っていました。でも3~4年経つと、ワーストランキング上位から抜けられなくなってしまいました。我々の世代は、まさにその被害者です……。

釈: 読者の皆様、念のため申し上げますと、2人の学力が低いわけではありません(笑)。2人はHS政経塾で政治経済に関する激しい"詰め込み教育"を受けています。

水: 野: ありがとうございます(笑)。

水: 実は私、寺脇氏にお会いしたことがあるんです。大学時代に参加した学生団体で、講師として招かれていた寺脇氏は、「ゆとり教育」を正当化する話をずっとしていました。我慢できなくなって、思わず「ゆとり教育で日本人の学力順位が世界の中で下がってしまいました。それでもいいのでしょうか」と質問をぶつけてみたんです。

すると寺脇氏は、「国語や数学が、仕事にどう結びつくの? 教えてほしいね」と言っていたので、驚きました。「日本は発展しすぎた。もうほどほどでいい」と語ったことにも、愕然としました。

なんとかもう一度、広島の学力を日本トップレベルに引き上げたいです。

広島の「復興力」こそ発信したい

原爆投下で車体が被爆した路面電車が、今も走り続ける。H_Ifuji/PIXTA(ピクスタ)

水: 世界では「ヒロシマ」というと、「原爆を落とされた」というマイナスのイメージで有名です。ただ、その復興に、もっと光を当てるべきだと思うんです。

例えば、原爆投下から6時間後には給水が再開されています。2日後には山陽本線の鉄道が復旧し、12の銀行が業務を再開しています。人々が通帳も印鑑も失っている中、頭で覚えている預金残高を参考にして、貸し出しを再開しているんです。

「75年は、草木も生えぬ」と言われていたのに、73年経つ今、広島は隆々とした都市になっている。広島人の底力って、本当にすごいなと思うんです。

ヒロシマを「負の遺産」というだけでなく、「復興・繁栄の象徴」として発信することで、世界に希望を与えると思うんです。

釈: パラオに視察に行った時に、「カープ食堂」という店を見つけたんです。入ってみると、広島の女性が経営されていました。広島の方々には開拓者精神がある方が多いように思います。

野: ありますね、「赤ヘル魂」とでも言うべきものが(笑)。

広島空港へのアクセス鉄道を

広島市内の商店街。パレット/PIXTA(ピクスタ)

釈: その開拓魂を阻んでいると思うものは何ですか?

野: 不満のお声をよく聞くのが、交通の便です。「広島は東京から一番遠い」と言われています。広島空港に鉄道がつながっていないので、バスに乗らないといけないのですが、山陽自動車道がよく渋滞するんです……。

釈: 私も出張で広島に行ったとき、渋滞に巻き込まれて飛行機に乗り遅れかけたことがあります。経済の大きなネックですね。

野: かつては、空港―白市駅の「アクセス鉄道」を山陽本線に乗り入れさせる計画がありました。ただ、自治体から資金負担を求められたJRが、航空会社に塩を贈りたくないこともあり、協力を拒んだ。それから計画は頓挫しています。

一方、ほぼ同時期に計画が立ち上がり、事業費もほぼ同額の、仙台空港アクセス鉄道は、10年前に開通しています。

広島でJRを説得できなかった背景としては、「市民の要望の声が十分に表に出なかったこと」が言われているんです。本当にあれでよかったのか、もう一度検討する必要があります。

水: 全国的に言えることですが、私は上がり続ける消費税が、広島の潜在力を奪っているように思います。とある商店の経営者は「消費税が上がって、商店街で半分が店を閉めた。今もなんとか営業をしている状態」と悲鳴を上げていました。

消費税は「社会保障の財源」と言われていますが、働く人の努力を無駄にしています。消費税を減税し、街を元気にしていくことが一番の社会保障になると訴えていきたいです。

釈: 未来を切り拓かんという情熱を持つ若い世代の存在ほど、希望溢れるものはありません。育ててくださった方々への感謝を忘れず、ぜひとも10年、100年先の未来に向けて新しい政治に挑戦してほしいです。がんばりましょう!

広島空港へのアクセスが不便

  • (1)空港へのアクセスはバスしかないので渋滞が多く、便を逃しやすい。
  • (2)鉄道は広島空港を通っていない
  • (3)空港にアクセスする鉄道はいつまでもつくられない。