「北朝鮮強制収容所に生まれて」に出演の脱北者 申東赫氏スペシャル対談 - 釈量子の志士奮迅 [拡大版]
2014.02.27
2014年4月号記事
拡大版
釈量子の志士奮迅
世の中は変えられる!
釈量子
(しゃく・りょうこ)幸福実現党党首。1969年東京都生まれ。國学院大学文学部史学科卒、大手企業勤務を経て、(宗)幸福の科学に入局。本誌編集部、常務理事などを歴任。
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スペシャル対談
ドキュメンタリー映画
「北朝鮮強制収容所に生まれて」に出演の脱北者
Shin Dong-hyuk 申 東赫氏
北朝鮮の人権弾圧を許さない!
「愛する、優しい、幸福という言葉さえ知らなかった――」
ドキュメンタリー映画
「北朝鮮強制収容所に生まれて」に出演の脱北者
Shin Dong-hyuk
申 東赫
(シン・ドンヒョク)1982年北朝鮮、国家保衛部管轄の第14号管理所に生まれる。96年に、地下の秘密監獄に7カ月間拘禁。2005年、収容所を脱出し、中国に渡り、06年に韓国に渡る。『 収容所に生まれた僕は愛を知らない 』(KKベストセラーズ)などを出版。
「 北朝鮮強制収容所に生まれて 」という衝撃的なドキュメンタリー映画が3月から公開されます。
北朝鮮の政治犯強制収容所の中でも最厳重警備の「第14号管理所」で、両親の“表彰結婚(注)"で生まれ、自らも政治犯として育った申東赫さんの想像を絶する半生が、本人のインタビューを中心に描かれています。
この収容所に入れられた人々が釈放されることはありません。強制労働や日常的な虐待、性的暴力、拷問が一生続き、規則を破った者は「即射殺」です。家族間の監視も義務づけられ、申さんは14歳のときに母と兄を密告し、2人は申さんの目の前で公開処刑されています。
2005年、収容所から奇跡的に脱出した申さんは、現在、国連人権調査委員会で証言するなど、様々な活動を行っています。ショッキングな内容の映画ですが、私たち日本人は、海を隔ててすぐ隣の国の現実を受け止めなければなりません。
このたび、映画のプロモーションのために韓国から来日した申さんと以下のような対談をする機会をいただきました。国家全体が刑務所のようになっている北朝鮮の人々の解放への熱意、自らの運命に対する「根源的な問いかけ」は、私たちに多くのことを考えさせてくれます。
(注) 保安指導員が選んだ、模範的な収容者同士を結婚させる制度。
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ネットオピニオン番組
THE FACT
YouTubeにて 2/28(金)より 「釈党首とシンさんの対談」が放送されました。
パソコンおよびスマートフォンでご覧いただけます。
◇ ◇
釈量子党首(以下、釈): まずは、この映画にどのような思いで出演されたのかお聞かせください。
申東赫(以下、申): 北朝鮮の惨状が過去の話であれば、私はこうした映画の製作に応じません。これ以上、収容所での辛い日々を思い出したくないからです。
しかし、同じ収容所にいた私の父の生死もわかりませんし、親戚も、自分と同時期に収容所で生まれ育った人たちも、現在進行形で苦しんでいます。また、今も囚人として収容所で生まれ、物心がついた時からムチで打たれて動物のように働かされる子供たちがいます。それがなぜか、知らないままにです。
彼らを1日でも早く救う力になれるかもしれない。そう考えると、辛くても取材や映画製作に応じざるをえません。 本当は多くの人々から注目されるのは苦手ですし、自分にできることは小さいのですが、世界の人々に収容所の現実を知ってもらいたいと思って活動しています。
いつの日か収容所のない北朝鮮に帰りたい
「収容所とは違う世界が外に存在するなんて、想像もしなかった――」
北朝鮮の「价川14号政治犯収容所」は強制労働、飢え、暴力、拷問に一生苦しむ地上の地獄。そこから唯一脱出した青年、申東赫氏本人へのインタビューを中心に、印象的なアニメーションも交えて収容所の実態に迫る。衝撃的な現実が世界中の映画祭で話題を呼んだドキュメンタリー。
「北朝鮮強制収容所に生まれて」
監督/マルク・ヴィーゼ 出演/シン・ドンヒョク 配給/パンドラ 3月1日(土)渋谷ユーロスペースほか全国順次公開
各地の公開場所と日程については公式サイト( http://www.u-picc.com/umarete/ )をご覧下さい。
釈: 私は「地上の地獄」である北朝鮮は、今世紀の前半までには自由化・民主化されるべきだと考えています。
申: 私もいつの日か、収容所のない北朝鮮に帰りたいです。 収容所では辛いことばかりでしたが、山や川、星などは本当に美しかった。そういう自然に感謝して、野良仕事をしながら暮らすのが理想です。そして、こんなに美しい自然のなかで、あんなにおぞましいことがあったという事実を後世に伝えていきたいです。
釈: そうした思いをもって活躍されている申さんは、新しい時代をつくるリーダーの一人だと思います。
申: 北朝鮮の実情を知ってもらうために、役に立てているのならうれしいです。ただ、自分はまだまだ社会について勉強が必要で、人をリードするというのは分不相応だと思っています。
釈: とても謙虚でいらっしゃいますね。自分がやりたいことではなく、自分を捨てて公のために、なすべきことをなすのがリーダーですから、そういう意味でやはり申さんはリーダーだと思います。
幸福という言葉を知らなかった
釈: 申さんは収容所を出るまで、「愛する」「優しい」「幸福」といった言葉の存在すら知らなかったと聞いています。こうした言葉を知った時、どう感じましたか?
申: 今は、幸せや優しさを感じるようになって、そうした言葉の意味を、切実で重いものに感じます。むしろ、豊かな国の人たちが、軽く使っているような気がします。
韓国の教会には、十字架の前で毎週のように「不幸だ」と涙を流して祈っている人もいます。十分に幸せそうに見えるのに、なぜそんなに涙を流すのかと疑問でした。韓国では、みんないい生活をしているのに、自殺してしまう人が多い。 何が幸せで、何が優しさや愛情に満ちた生活か。豊かな社会の人たちも見つけられていないのではないでしょうか。
神仏は北朝鮮を絶対に放っておかない
釈: 目に見えない存在や信仰についてはどうお考えですか?
申: 私自身、辛いトラウマに苦しんだので、何度も宗教に答えを求めました。インドで修行をしたり、お寺で五体投地をしたこともあります。今もキリスト教の教会に通っています。
私が誤解しているところもあるかもしれませんが、万物を創った神という方が、もしいらっしゃったとしたら、ずいぶん不平等な世界を創られたと思います。なぜ日本や韓国みたいな国を創った一方、北朝鮮みたいな国を創ったのか。その答えを得るにはまだ時間がかかりそうです。
また、 教会の牧師の説教を聴くと、「人間は罪を持って生まれてきたのだから、神に頭をたれて一生試練を受けなくてはならない」と言います。でもそれはある意味で、「生まれつきの囚人」であることを強いられる収容所の生活と同じになってしまうのではないでしょうか。
釈: 教会で教える「人間は罪の子である」という考えについては、私も同じことを感じます。イエス・キリストはそういうことを教えたわけではないと思いますし、本当の神はただ罰するだけではありません。
私は、人は様々な国や時代に生まれ変わる存在だと信じています。また、 仏教に「因果の理法をくらますことはできない」という教えがありますが、北朝鮮で続いている不条理な状況も、決して神仏が放っておくことはありません。長い目で見て不公平なままで終わるということは、絶対にないと私は信じています。
申: その意見は正しいと思います。自分なりに、幸福とは何なのかをつかむために努力していかなければと考えているのですが、釈党首のお話を聞いて、何か今の自分の考えを超えたものがあるのではないかと感じます。
自由化された東アジアがリニアでつながる日
釈: 幸福実現党は、人間はみんな神の子であり、尊い存在だという確信をもって活動しています。全ての人が尊厳を持って生きることのできる、新しい未来をつくろうと思っています。 将来的には、自由化された北朝鮮、韓国、中国、ユーラシア大陸をぐるっとリニア新幹線でつなごうという構想もあるんですよ。
申: そんな事業があったら私も一緒に参加したいです。そんな時代が来ることを祈っています。脱北してからも、「他人が幸せになるために」という言葉はほとんど聞いたことがありません。ですから今日は、釈党首の「世界やアジアの人々のために」という構想を聞いて、学ぶことがたくさんありました。
釈: 申さんは多くの人に北朝鮮の現状を伝えながら、逆説的に大切なものとは何かを教える先生役として、世界を回っているような気がします。素晴らしい時代を一緒に作っていきたいと思います。ありがとうございました。
◇ ◇
幸福の科学第五編集局 編
幸福実現党出版
1,050円(税込)
釈量子の守護霊霊言
目からウロコ! 幸福実現党の新党首の秘密
大川隆法著
幸福実現党出版
1,470円(税込)
大川隆法著
幸福実現党出版
1,365円(税込)
映画「北朝鮮強制収容所に生まれて」を観ると、一人ひとりの心の中で「問いかけ」が始まるはずです。20万人の方々が今も収容所にいるという現実、自分の生き方、一国平和主義の日本、不正義の前に無力な国際社会……。 「これでいいのか」という問いに、私たちは真剣に向き合うべきです。
折しも2月17日、国連の人権調査委員会は、日本人を含む外国人の拉致や国内での人権侵害に対し、北朝鮮は国家ぐるみの「人道に対する罪を犯した」と非難。国際刑事裁判所が北朝鮮を裁くべきだと訴えました。
ただ、常任理事国の中国が反対するなど、その実効性に期待はできません。
申さんが帰りたいという、美しい山や川、星のきらめく北朝鮮を、子供たちの笑顔があふれる「故郷」とするために、日本も立ち上がらなければなりません。
また、対談の中でもっとも印象に残ったのは、申さんの「根源的な問い」でした。不条理の極みとも言える収容所での半生、また、北朝鮮のような国の存在。神が全能であるならば、なぜこんなにも苦しむ人がいるのか。
この疑問に答え、人々に希望を与える正しい宗教、そしてその希望の元に現実を動かす力強い政治が必要だと、今回改めて確信いたしました。
「人間は神仏の子であり、尊い存在である」という信条のもと、地上の地獄を神の手に取り戻すべく、私たちも行動していきます。
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ネットオピニオン番組
THE FACT
YouTubeにて 2/28(金)より 「釈党首とシンさんの対談」が放送されました。
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