ペルシャ湾の要衝・バーレーンを脅かす中国のデジタル浸透【チャイナリスクの死角】

2026.04.17

国際政治学者

佐久間 拓真

(ペンネーム)
国際政治の中でも特に米中関係、インド太平洋の安全保障、中国情勢を専門にし、この分野で講演や執筆活動、現地調査などを行う。

中東の島国バーレーンにおいて、中国による経済的影響力の拡大が加速している。かつて英国の保護領であり、現在は米海軍第5艦隊の拠点を抱えるこの戦略的要衝に対し、中国は一帯一路構想を旗印に、インフラ、デジタル技術、そして商業の各面から静かなる浸透を図っている。

この動きは、単なる経済協力の枠を超え、受入国の経済構造を中国依存へと塗り替えていく、いわゆる経済的侵略以外の何物でもない。

デジタル・シルクロードの一環で通信インフラを掌握

バーレーンにおける中国の攻勢で最も顕著なのが、情報通信分野での圧倒的な存在感である。中国の通信機器大手ファーウェイ(華為技術)は、バーレーンの次世代通信規格「5G」網の構築において中心的な役割を果たしている。

2024年から2025年にかけて、バーレーン国営通信のstcバーレーンはファーウェイとの間で、AIを搭載したデジタルソリューションや5Gアドバンスド(5G-A)の開発に関する協力協定を相次いで締結した。

これはいわゆるデジタル・シルクロードの一環であるが、米欧諸国からは、重要インフラを中国企業に委ねることによる安全保障上のリスクが強く懸念されている。通信データが中国当局に流出する可能性や、将来的に技術的な標準規格を中国に握られることで、国家の意思決定が制限される恐れがあるためだ。

経済的な利便性と引き換えに、国家の神経系とも言える通信インフラが中国の手中に収まりつつある現状は、まさに構造的な依存の形成であると言える。

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タグ: 中国依存  安全保障  経済的侵略  バーレーン  佐久間拓真  チャイナリスクの死角  一帯一路  中国製品 

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