EU欧州委員長が「原発縮小は戦略的ミス」と発言し、再エネの限界を認める ─ 日本も原発アレルギーからの脱却を

2026.03.12

画像:"Ursula von der Leyen presents her vision to MEPs" by European Parliament is licensed under CC BY 2.0.

 

《ニュース》

欧州連合(EU)のフォンデアライエン欧州委員長は10日、「原子力発電に背を向けたのは欧州にとって戦略的に誤りだった」と発言しました。

《詳細》

この発言は、フランス・パリで開かれた「原子力エネルギー・サミット」の中でのものです。

特に念頭に置いているのは、EUで中心的役割を果たすドイツです。ドイツは2011年の東日本大震災における福島原発事故の後、当時のメルケル政権の下で原発を段階的に廃止する決定を下しました。その時に政権閣僚を務めていたフォンデアライエン氏が、「原発の割合を削減したのは一つの選択だったが、信頼性が高く、手頃な価格の低炭素電源に背を向けたのは、欧州にとって戦略的な誤りだった」と認めたことで、話題を呼んでいます。

発言の背景にあるのは、ウクライナ戦争を機に生じたエネルギー価格の高騰です。2023年のショルツ政権の下で脱原発を達成しましたが、ドイツ産業界からは電気料金の引き下げを求める声が強まりました。ドイツ産業連盟は脱原発について、「将来のエネルギー供給がどうなるか分からないまま、投資判断を下さないといけない企業にとって、極めて有害だ」と批判しました。

フォンデアライエン氏は直近の中東情勢にも触れています。欧州は1990年に電力の3割以上を原発で生産していたが、現在は15%と半減し、代わりに石油とガスの輸入に頼らざるを得なくなったと主張。しかし中東情勢を受けて石油価格が上昇し、ヨーロッパの納税者はわずか10日間で化石燃料輸入によって30億ユーロ(約5500億円)の追加損失を被ったとし、「これはわれわれの依存の代償だ」と述べています。

同氏は、今後は再生可能エネルギーとともに「次世代原発」の導入を推進し、小型モジュール炉(SMR)の実用化を目指すと表明しました。

ドイツとは対照に、原発推進を唱えてきたフランスは今回の発言を歓迎し、マクロン大統領は、福島事故の教訓は消えないとした上で、「原子力は競争力、脱炭素、エネルギー主権という目標の同時達成を可能にする」と指摘しました。

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タグ: EU  再エネ  原発  脱炭素  石油  高騰  電気料金 

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