台湾有事は日本最大の危機 愛する沖縄を守る方法 - 地域シリーズ 沖縄

2021.11.29

世界遺産にも登録されている、うるま市の勝連城跡近辺から見える海。

2022年1月号記事

地域シリーズ 沖縄

台湾有事は日本最大の危機

愛する沖縄を守る方法

現実味を帯びる「中国が台湾を侵攻する」可能性。
そうなれば沖縄も無事では済まない。
現地の声やリポート、識者の声などから、沖縄の危機について伝える。


沖縄本島から先島諸島(*1)にかけては大小の島々が連なる。日本最西端の与那国島と台湾との距離はわずか111キロメートル。晴天時には年に数日、与那国島から台湾本島が見えるほど近い(下写真)。

沖縄には台湾からの観光客や移住者も多い。うるま市内の台湾人が経営する店で20年間働いていた福原さんは、「店主はよく、『台湾は中国の一部ではない』と言っていました」と話す。

その通り、台湾は中国の一部ではない。歴史を見ても、台湾は一度も中国に属したことがない。

しかし中国の習近平国家主席は10月の演説で、台湾統一を必ず実現させると宣言。同月上旬には中国軍機約150機が台湾の防空識別圏に進入した。8月には台湾と与那国島の間の海域で、中国軍艦艇が常時展開していることも判明。尖閣諸島北方にも2隻が張り付いており、中国が台湾に恫喝を加えるほどに、沖縄も無関係ではいられない。

しかし日本、特に沖縄のマスコミはこれらを中台問題や米中対立と報道することが多い。「沖縄では『台湾問題は中台の対立によるもの』『米中の対立に日本が巻き込まれてはならない』などという報道姿勢ですが、正しいとは言えません」。幸福実現党沖縄統括支部代表の金城竜郎氏は、こう苦言を呈する。

(*1)沖縄本島よりも西の宮古島、石垣島、与那国島などの列島の総称。


3月までに台湾に揺さぶり!?

台湾が取られたら、次は先島、沖縄本島が危ない。その危機は、大川隆法・幸福の科学総裁のリーディングでも予言されている。

宇宙のメシア的存在であるヤイドロンは10月、中国が台湾に対して、「まず私の読みとしては、第一弾はやっぱり、そうだね。今が十月か。まあ、三月ぐらいまでの間には、"第一弾の揺さぶり"はやるだろうとは思っています」と指摘。さらに「『台湾危機』のときには同時に、『尖閣危機』とか『沖縄危機』も近いと思うよ。やっぱり来ると思う。そんなに時間を置いてやってくれるわけではない」と明かした(*2)。

なぜ"第一弾の揺さぶり"は3月までに起きるのか。考えられる理由の一つに、2022年に、中国に関係する国や地域が「選挙イヤー」を迎えることがある。夏には日本の参院選、9月ごろには沖縄知事選。さらに秋には米中間選挙、台湾の統一地方選が控えている。選挙前にできるだけ有利な立場に立ちたい中国が、一気に攻勢を仕掛けてくる可能性は否定できない。

(*2)大川隆法著『ヤイドロンの霊言「世界の崩壊をくい止めるには」』(幸福の科学出版)

沖縄は中国文化圏ではない

台湾有事が起きれば、沖縄や日本も無事ではない。大川総裁は法話「今、メシアが語るべきこと、なすべきこと」(*3)で、「香港を護れ」とメッセージを発信。続けて、「台湾にもまた、『一国一制度』(虚言では「一国二制度」)と、勝手に北京が言っているだけで、中国とは別の国ができているのですけれども、これも取ろうとしています。(中略)また、中国は、フィリピンだとか、それから日本の尖閣や沖縄にも『核心的利益だ』ということを言っています。彼らが南沙諸島や西沙諸島も『核心的利益だ』ということで、岩礁ぐらいしかなかったのに埋め立てて自分たちの領土をつくり、軍事基地までつくっても、周りは何もできない状態になっていますから、次には尖閣や沖縄をはじめ、『このへんはもともと中国文化圏だ』と言って取りに来るのも、時間の問題だろうと思います」と警告した。

中国で復刻され話題になっているという「国恥地図」は、「過去100年間の戦争で外国に奪われた中国の"本来の"国土範囲」を伝えるというものだが、その地図では国境線が近隣国を囲み、鹿児島に属する離島から沖縄本島、先島や尖閣、台湾は中国の領土となっている(上図)。

しかし幸福の科学の歴史観(霊査)に基づけば、『古事記』『日本書紀』をたどるまでもなく、三万年前の天御祖神の降臨以来、沖縄は圧倒的に日本の文化圏、勢力圏にあるのだ(*4)。

(*3)『メシアの法』所収(12月9日発刊)
(*4)本誌2021年10月号「日本文明三万年の歴史」に詳述。


戦中世代も今の沖縄に危機感

沖縄戦の記憶や基地と共存する暮らしなどから、国防への無関心や戦争に対するアレルギーを持つ県民もいる。しかし声高に米軍基地反対と叫ぶのは県外から来た活動家がほとんどだという。米軍基地などを有するうるま市在住のYさんは、「基地の仕事は人気があり、近所に反対派もいません」と話す。

戦争を知る世代も、こう語る。終戦時1歳だった浦添市在住の富川春子さんは、父が戦死し、自身も栄養失調で危険な状態だった。「学生時代はアメリカを憎んでいましたが、戦後、沖縄を助けてくれたのもアメリカです。恨み心はありません。しかし当時のアメリカと、現在覇権主義を進める中国は明らかに違います。その中国に占領されることは、大変なことであるということを県民に分かってもらいたい」。

同市の花城啓誌さんは、沖縄戦で両親を亡くし、弟とともに孤児となった。肩を撃たれたが、食べ物を与え、病院に運んでくれたのもまた米兵だったと話す。「終戦後、沖縄では皆生きるのに必死でしたが、アメリカの助けもあってご飯が食べられるようになると、自分の意見を言う人が増えてきた。今も日本軍がこんなことをしたとか、米軍は出ていけと言う人がいますが、それで沖縄が守れるのか」。

戦中世代の思いとは裏腹に、沖縄はまたも危機に直面している。

 

次ページからのポイント

Interview/元陸上自衛隊中部方面総監 山下 裕貴氏

何かあったら米軍は守ってくれるのか

Interview/エルドリッヂ研究所代表 ロバート・D・エルドリッヂ氏

国境を守る島は今、どうなっているのか

Interview/石垣市議会議員 友寄 永三氏

沖縄を、そして日本を守る第一歩とは

 

続きは2ページ目へ(有料記事)


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