中国がBRICSの主導権を強化

2011.04.16

中国海南省の三亜で14日、中国主導によるBRICS首脳会議(サミット)が開かれた。今回はブラジル、ロシア、インド、中国に初めて南アフリカ共和国(South Africa)のSが加わり、文字通りのBRICSとなった。5カ国の人口は全世界の42%、2010年のGDP合計は18%を占める。

15日産経新聞は同サミットで採択された「三亜宣言」について、「原子力はBRICSの未来のエネルギーとして継続して重要な地位を占める」「各国は平和目的の原子力エネルギー国際協力を発展されるべきだ」などの内容を伝えている。同日付英紙フィナンシャル・タイムズは中国の思惑に踏み込んでいる。同紙の記事のポイントは、

・中国報道官は各国報道陣に向けた説明のなかで、参加国の合意内容として「21世紀は平和、調和、協力そして科学的発展の世紀となるべきだ」との言葉を強調した。特に「調和(harmony)」と「科学的発展(scientific development)」は中国共産党のスローガンの鍵となる用語なので、中国人はこの声明を聞いて、自国の政府が新興諸国に対する影響力を拡大し始めたとの印象を持つだろう。

・中国によれば、南アにはアフリカ全体の代表として参加してもらった。南アがアフリカ大陸で勢力を拡大していることを考えれば、南アの参加には中国にとって地政学的に大きな意味があるというのだ。

・中国以外の4カ国の共通点は、中国との関係を重視していること以外、何もない。4カ国の代表団は内々に、今回のサミット参加の主要な動機は中国との貿易などをめぐる2カ国間対話のためだったと認めている。

欧米を抜きにした新興国を自らがリードしているとの姿勢を、自国民に巧みにアピールする中国の老獪さを見る思いだ。他の4カ国は、「科学的」という言葉が「共産主義の唯物論に沿った」との意味を含むと知ったうえで合意したのだろうか。新興国の協調的発展は結構だが、中国の思惑に呑み込まれすぎない注意も必要だろう。(司)

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