台湾総統選 民進党候補は蔡英文氏 参院選で各党は明確な防衛・外交政策を示すべき
2019.06.15
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《本記事のポイント》
- 来年1月の総統選を前に、民進党の公認候補が蔡英文氏に決まった。
- 対中国で強気に転じたことが蔡氏の勝因。
- イラン沖の日本タンカーへの攻撃は、台湾近海でも起きうる。
台湾の与党・民進党は13日、来年1月に行われる総統選の公認候補者を選ぶ党内の予備選で、現職の蔡英文総統が、指名を争う前行政院長(首相)の頼清徳氏を破り、勝利したと発表した。
各メディアは、香港での大規模デモが、台湾人の対中警戒感を高め、蔡氏への追い風になったと伝える。その影響はあるだろうが、これまで穏健派だった蔡氏が、「戦う姿勢」を前面に出し始めたことも大きいはずだ。
なお、最大野党・国民党は、7月中旬にも公認候補者を選ぶ予定になっている。
対中国で強気に転じた蔡英文氏
2016年の総統就任後、蔡氏はたびたび中国との関係を「現状維持」と表現してきた。しかし、昨年11月の統一地方選で、中国寄りの国民党に大敗。民進党に激震が走った。
こうした民進党の"弱体化"を見てか、今年の年初、中国の習近平・国家主席が「外部の干渉や台湾独立勢力に対して武力行使を放棄しない」と台湾を揺さぶり、将来的な統一を視野に入れた台湾政策を発表した。
すると、直後に蔡氏は会見を開き、習氏が提示した「一つの中国」「一国二制度」などに対し、「台湾は絶対に受け入れない」「台湾2300万人の人民が、自由と民主主義を堅持していることを尊重すべきだ」と反発。
今回の予備選中も、香港の大規模なデモについて、蔡氏はフェイスブックで「香港政府が理性的な意思疎通の手段を取らず、抗議する群衆にゴム弾を使ったことに対して、極度の震撼を覚えた」などと、抗議デモに対する明確な支持を打ち出した。
アメリカのトランプ政権と緊密な関係を築いていることも相まって、中国の脅威を感じている若者層からの支持を集めている。
台湾の戦略的重要さが分からない日本人
台湾が中国に侵略されれば、日本の沖縄への侵略も時間の問題となる。台湾周辺のシーレーンが押さえられれば、石油をはじめとするあらゆる物資が日本に入って来なくなる。
これらの問題について、2016年2月、大川隆法・幸福の科学総裁は、総統に当選したばかりの蔡氏の守護霊を呼んで霊言を収録。蔡氏の守護霊は、こう語っていた。
「 日本の繁栄の基礎は、『日米同盟』と『アラビア半島からの石油が入ってくるシーレーンを護ること』なんです。石油が前回の戦争の原因にもなりましたからね。だから、このシーレーンでの、『台湾の戦略的重要さ』っていうのは、日本のなかで、ごく一部の保守の人しか分からない 」(『 緊急・守護霊インタビュー 台湾新総統 蔡英文の未来戦略 』より)
まるで何かを暗示しているかのように、蔡氏の予備選の勝利が発表された13日、イラン沖のホルムズ海峡近くで、台湾と日本の海運会社が運航するタンカーが砲弾による攻撃を受けた。
台湾周辺の海域が中国の支配下に入り、この海域で同じようなことが起きた場合、おそらく、中国に弱腰な日本政府では、「遺憾」という言葉を発するだけで、何の強制力も行使できないだろう。
「日本殺し作戦がとっくに始まっている」
蔡氏の守護霊は、次のような指摘もしていた。
「 台湾が取られたら、日本は本当に……。もう本当に"日本殺し作戦"が、とっくに始まってるんですよ。例えば、原発反対運動を起こされてるでしょう? 原発反対運動を起こされて、沖縄からの米軍基地追い出し運動をやられて、さらには、シーレーンのほうを切られようとしてるわけですから。
だから、石油を止められて、原子力を止められて、そして米軍を追い出されて、丸裸にされようとしてるんですよ、日本は。これと戦わなきゃいけないわけです。もう日本の左翼勢力のなかには、中国の飼い犬みたいなのがたくさん入っているので、これは、やっぱり引っ繰り返さなきゃいけないわけで、『思想戦』が絶対、必要なんです 」(前掲書)
日本がすでに危機に直面しているという自覚のある日本人は、果たしてどれほどいるだろうか。
夏の参院選では、混沌とする国際社会で、日本がどのような役割を担い、それに合わせて防衛や外交でどのようなかじ取りを行うべきか、という点を、各党とも明確に有権者に示すべきだろう。
(山下格史)
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