釈量子の志士奮迅 [第64回] - 佐渡・対馬で分かった「北朝鮮難民」への無策

2017.12.24

2018年2月号記事

第64回

釈量子の志士奮迅

幸福実現党党首

釈量子

(しゃく・りょうこ)1969年、東京都生まれ。國學院大學文学部史学科卒。大手企業勤務を経て、(宗)幸福の科学に入局。本誌編集部、常務理事などを歴任。2013年7月から幸福実現党党首。

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http://shaku-ryoko.net/

佐渡・対馬で分かった

「北朝鮮難民」への 無策

一年を表す漢字「北」が象徴する通り、2017年は国民一人ひとりが北朝鮮の脅威に晒された年となりました。とりわけ、国防の最前線に置かれるのが、離島です。その実情を探りに、11月は長崎県対馬、12月は新潟県佐渡島を視察しました。

国は難民対策を指示せず

朝鮮半島から一番近い対馬には、白村江の戦いの翌年に防人が置かれた記録が残っていますが、1019年には女真族の襲撃を受け(刀伊の入寇)、1274年10月5日、元と高麗軍が小茂田浜に押し寄せます(元寇)。宋助国率いる鎌倉武士らが戦いましたが、全滅。捕虜にされた者は手足に穴をあけられ船縁につるされた話などが伝わります。

島の北部の比田勝港は、釜山までフェリーでわずか1時間。展望台からは釜山のビル群が目視できます。

さて、その対馬で長崎県の担当者に話を聞くと、国防の心もとない事態が分かってきました。

大量難民の発生や上陸などの対応については、国から明確な方針や計画は市町村に示されていないというのです。7月に全国知事会が、政府に指示を要請しているにもかかわらず、状況は変わっていないとか。

どう考えても「計画不在」は深刻です。有事になれば1週間以内に100万人単位の難民が押し寄せると主張する識者もいます。その時には、防衛省、国土交通省、厚生労働省、法務省、地方公共団体といった複数の組織が切れ目のない連携をしなければなりません。

感染症が広がる恐れもあります。北朝鮮ではマラリアも流行っており、脱北者の「寄生虫」がニュースになったように、健康状態も最悪です。速やかに検疫を実施するなどして、国内への影響を避けなければなりません。

さらに偽装難民への対処は万全でしょうか。実は日本は、ベトナム戦争後、ベトナム人難民に扮した2800人もの中国人を、国に入れてしまったという前例があります。北朝鮮は大量の生物・化学兵器を製造しており、もし北朝鮮工作員を入れてしまえば、ウイルスの拡散、原発などでの破壊活動を行う可能性もあるのです。

難民の収容施設も必要です。秋田県由利本荘市の海岸に漂着した北朝鮮の男性8人は、長崎県大村市の入国管理施設に収容されました。しかし大量に難民が発生した時には対応しきれないことは明白です。

2017年12月上旬には、荒天で揺れるフェリーに乗り込み、新潟県の佐渡島にも行ってまいりました。

北朝鮮の不審船や遺体などの漂着は、11月からもう6度目。しかし特段の対策はなされていません。北海道松前町で、北朝鮮人乗組員が逮捕されましたが、日本の沿岸警備体制では、難民に扮した工作員は入り放題という合図を送ってしまっている可能性もあります。

面白いのは、島には江戸時代から今日に至るまで「五人組」制度が残っていること。今も互助組織として機能しているため、不審者が入り込む余地はあまりないと言います。島であったため、危険な熊も猪もいなかったという佐渡は、平和的な人たちが多く、危機感があるようには思えません。しかし、「鍵ぐらいかけようかという話はしている」とのんびりした口調で語る方々も、内心は不安です。

国で政治を預かる人たちが、十分な議論も人員確保もしてこなかったツケは、離島の住民の皆様に回ってしまいます。

有事の際は難民が押し寄せる可能性の高い対馬の海岸。

国民保護も後手に回る

後手に回っているのは、ミサイル着弾時などの「国民保護」でも同じです。わが党としては、16年1月に北朝鮮が「水爆実験に成功した」と表明した後から、「核シェルター設置」を訴えてきましたが、与党・自民党は、17年12月になってようやく、国土強靭化推進本部にて、シェルター整備を推進する方向で一致しました。必要な判断ではありますが、もっと早く動いてほしかったところです。

国の危機管理においては、常に最悪の事態を想定し「先手」を打つことが求められます。そうした時には、「そんな予算は無駄だ」「危機を煽るだけだ」という声は必ず出てきます。また、危機が表面化してから対策をした方が、世論の理解が得やすいのも確かでしょう。

しかし、国民を愛しているなら、必要なことを提言し、説得し、行動しないではいられないはずです。

危機意識を持つ人が少ないことが、日本を危機に陥れることになりかねません。今こそ、党派問わず、国民一丸となって国防にあたるべきです。


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