1年半でサブスリーを達成した40代中年男のマラソン奮闘記(1) 青春の心と体を取り戻せ!

2017.11.19

42.195キロを駆け抜ける過酷な競技、フルマラソン。フルマラソンの完走者は、のべ数で36万人(全日本マラソンランキング2017より)とされている。そのうち、3時間以内でゴールできる「サブスリー」の達成者は3%弱であり、一般の市民ランナーの達成はきわめて難しい。

しばらく運動から遠ざかっていた40代中年男が、1年半のトレーニングでサブスリーを達成するまでのストーリーを5回シリーズで紹介する。

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中高時代は陸上部だったが、その後4半世紀、まったくといっていいほど走っていない40代の中年オヤジが、約1年半のトレーニングを経て、初めてフルマラソンに挑戦し、「サブスリー」を達成した。

サブスリーとは、フルマラソン42.195キロを3時間以内に完走することである。

サブスリーはどれくらい難しいか?

NPO法人ニッポンランナーズ理事長の金哲彦氏によると、約22万人の男性フルマラソン完走者のうち、サブスリーを達成したのはわずか2.9%、偏差値だと69以上に相当するとのことだ (アールビーズ社による2013年調査)。

3%とは、世界陸上に出る超エリートランナーや実業団選手、著名な大会に出る学生選手も含めた数値であり、一般の市民ランナーの達成は至難の業といわれている。

体力の衰えを実感

私のマラソン、そしてサブスリーへの挑戦は、突如襲ってきた腰痛がきっかけだった。

40歳を超えたあたりから、仕事面において徹夜がきかなくなったり、肩が上がらなくなったり、小走りするとお腹が揺れたりなど、「若いころはこんなことなかったのに」と思うことが、次々と現れてきていた。

そして42歳の時、歯磨きの最中に"ピシッ"と腰に鋭い痛みが走った。腰を曲げることができない。整体師に診てもらうと、軽いぎっくり腰。姿勢が悪く、筋力が落ちているのが原因だそうだ。しばらく安静にして、腰回りの筋肉を鍛えるよう指導を受けた。

ならば、ということで一念発起して、体を鍛えるためにランニングを始めることにした。

人間は習い性があるので、過去、自分が体験したことを始めるものだ。しかもランニングは、特別な道具や場所も要らず、比較的お金もかからず、時間さえあればお手軽にできる。「シューズ」と「短パン」と「Tシャツ」さえあれば可能である。

ランニングシューズは持っていなかったため、普通の運動靴と1,000円(税別)で買った短パン、ありもののTシャツ(白ではない)で始めた。

ランニング開始初日。5分ほどはテンポよく足を運んだが、だんだん息が上がり、10分後には歩いてしまった時は我ながら笑えた。よくぞ、ここまで体力を落としたものだ。春の日差しが降り注ぐ中、汗をかきながら、歩いて家に引き返した。

それからは、気が向いたとき週1~2回ぐらいの頻度で、不定期にランニングを重ねていった。走る時間帯は、仕事から帰宅した21時以降がほとんどだ。夜間走行は体感スピードが上がる。

次第に走行距離も伸びてきて、しばらくすると30分ぐらいは気持ちよく走れるようになってきた。足腰も鍛えられたせいか、腰痛も日常生活では問題ないレベルになった。

自分に宣言!

そうしてランニングを重ねていった初夏のある晩のこと。最後の坂道で会心のラストスパート(当時)を決めた時、無敵感がこみあげてきた。

「どうせやるのなら、本格的にやってみるか!」とスイッチが入った。

心の奥底に眠っていた「陸上を一度かじった者として、死ぬまでにはフルマラソンを完走したい」という"うずき"に今こそ応える時だと決意した。

マラソンをやろう!

イメージ的には映画「ロッキー・ザ・ファイナル」。

ロッキーのトレーナーが言っていた。

「お前にはもう昔のスピードはない。全身の関節もサビついている。スパーリングも無理だ。重いパンチでカバーするしかない。強烈なパンチをつくるぞ!」

重く強烈なパンチは要らないが、持久力のある強い脚はつくらないといけない。若い対戦相手はいないが、昔の自分がライバルだ。フルマラソンを走りきることができれば、失われた24年を取り戻し、かつ昔の自分を超えることができる。

高校時代、一度に走った最長走行距離は15キロ程度だったので、走行距離だけでも自己最高なのだ。

10代の自分に勝つ!

この時は、サブスリーを本気で目指すところまではいかず、いつフルマラソンに出場するかも決めてはいなかった。ただ、漠然とした高揚感に包まれての宣言だった。(続く)

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2017年12月2日付本欄 (3)マラソンランナーへの体づくりと食生活

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タグ: サブ3  ニッポンランナーズ  マラソン  サブスリー  市民ランナー  ランニング 

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