AI導入でアナリストが減少、でもほころびも 人間の仕事は本当に奪われるのか?

2017.07.10

《本記事のポイント》

  • 経団連はAIを途上国支援に活用との方針
  • AI導入でアナリストが減少、懸念材料に
  • 厚労省懇談会もAIはあくまで「補助」との見方

経団連は国際連合が選んだ「持続可能な開発目標(SDGs)」実現のために人工知能(AI)やビッグデータなどを活用する方針を示している。このほど産経新聞が報じた。

経団連は途上国における環境や医療などの問題解決にも最先端の技術を活用することを会員企業に呼び掛けるといい、取り組みを国内外にアピールする考えを示した。日本においても、AIは大いに注目され、実際に仕事を始めている。

アナリストの減少が将来の不安材料に

世界的にAIが広がる中、以前から議論されてきたのが「人の仕事が奪われる」という問題についてだ。

実際に今、その影響が表れているのが金融の分野だ。各国の投資銀行が投資先の選別にAIの導入を始めており、2012年から2016年の4年間で、世界の主要な投資銀行で働くアナリストの数は10%減少している(6月28日付日経新聞)。

ただ、AIが短期的な株価の上がり下がりに注目するのに対し、アナリストは各産業に関する深い洞察力を持ち、政治や経済の流れを予測する。そして、各企業の経営を見つめながら、予測をしている。しかし、アナリストの数が減少することで、調査される企業が大企業に偏り、中小企業株について専門知識を持つ業界の担い手が不足しているという。

このままでは、投資の対象が、調査対象となっている大企業に偏り、分析の対象外となっている新しい企業への投資が滞る懸念があるという。

やはり、AIにできる仕事と、人間にできる仕事とでは、その質に違いがあることが示唆される。

AIだけでは患者の「満足感」に限界

日本でも、このほど厚生労働省の懇談会が2020年度に診療支援にAIを実用化できるとした報告書を公表した。ただ、この中では、「個人的な感情等の客観的データでは捉えきれない事情や意向を患者・国民やその家族が抱えている場合も多い」とされ、AIだけでは患者が得られる「満足感」に限界があるとの言及もある。

さらに同報告書は、「AIは、あくまで収集されたデータに基づく学習によって結果を予測しているに過ぎない」「それまでに収集されたデータが全く当てはまらない新規の事象に対しては、AIによる予測の精度は著しく低下するおそれがあり、通常では考えられない突飛な予測をAIがしてしまうおそれもある」と、最終的には人の判断が必要であるとしている。

AIと人間の違いは何か

一見、機械と人間の仕事には、大きな違いがないように見えることもある。しかし、どのようなプロセスで導き出された答えなのか、その判断まで考えれば、AIが人間の仕事を全て代替することが難しいことは、むしろはっきりするだろう。洞察力や直観力、新しい事象に対する対応などは、仕事のプロフェッショナルを目指す中で培われる実力だ。

AIは、人間にしかできない仕事の本質とは何かを気づかせてくれているのかもしれない。(若)

【参考書籍】

幸福の科学出版 『政治の意味』 大川隆法×大川裕太著

https://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=1883

【関連記事】

2016年11月号 人工知能時代 人間にしかできない仕事 あと10年で消える仕事

http://the-liberty.com/article.php?item_id=11969


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