迫る北朝鮮との戦争!?写真で見る核シェルター普及率100%のスイスの今
2017.05.14
《本記事のポイント》
- スイスの核シェルター普及率は100%、日本はたったの0.02%
- 200人が収容できる核シェルターがオフィスにある
- 日本とスイスの平和に対する考え方が根本的に違う
北朝鮮が核ミサイルの開発を進め、日本に危機が迫っていることから、「核シェルター」の問い合わせが増えている。
朝日新聞(13日付)によると、家庭用核シェルターを販売する「シェルター」(大阪府羽曳野市)は、ここ55年間で10台程度の販売にとどまっていた放射性物質などを除去する空気清浄機を、今年は3月から4月だけで10台販売したという。
日本では核攻撃に対する公的な対策がほとんどなされていないため、個人の防衛意識が高まっていると言える。日本核シェルター協会によれば、核シェルターの普及率は、スイスとイスラエルが100%で、ノルウェーが98%、アメリカが82%であるのに対し、日本はわずか0.02%であるという。
そこで編集部は、核シェルターの普及率が100%のスイス在住者に、現地の様子を聞いた。
200人が収容できる核シェルターの中身とは!?
男性は、2000年ごろに建設されたオフィスの一室で働いている。建物の地下には、約200人が収容できる核シェルターが設置されているという。
オフィスの階段横にある重々しいドア。ここから先が、核シェルターだ。
重いドアを開けると、つなぎの部屋のような空間に出る。そこには、4つの丸い穴と、縦に並ぶ4つの弁がある。
壁の注意書きには、ドアをしっかり閉めた状態で、ここに最低6分間いるようにと書かれている。
この丸い穴から空気が室内に入り込み、人に付着している物質を取り除くという。
付着物を落とすと、再びドアが現れる。鉄製のドアの厚さは50cmで、重さは2トン。核シェルターは、複数のドアによって爆風や放射線から守られる構造になっている。
ドアには、空間を密封できるように、上下2カ所に取っ手がついており、さらに締め上げるための黄色の大きなスパナもある。
ドアの先を行くと、一気に開けた空間に出る。核シェルターの内部だ。
複数の部屋が分かれてあり、内部はけっこう広い。200人ぐらいは入れそうだ。
トイレが5つ完備されている。
空気ろ過機がそれぞれの部屋に設置され、外気を安全な空気へと変える。
空気ろ過機の横には、脱出口も備えている。窓も頑丈に覆われている。
オフィスの管理人が言うには、核戦争に耐えられるかは分からないが、通常の戦争なら対応できるという。日本から見ると、十分にすごい設備だ。
スイスの平和と日本の平和の違い
核シェルターが全国津々浦々に設置されているスイス。在住する日本人3人に、スイスの防衛事情について話を聞いた。
◆ ◆ ◆
Aさん: スイスは、山と湖に囲まれたとても美しい国です。そんな綺麗な風景を見ると、平和な気持ちになります。ですが、この気持ちは、守られているという確信と、万が一の対策と備えがあるという安心感があるからこそ、感じられるものだと思います。
Bさん: 日本では絶対に見ない光景が、スイスには当然のようにあります。例えば、街や家の至るところにスイスの国旗が掲揚されているのです。多くの国民が愛国心を持っている、と感じます。
一部の地域では、数年に一度、政府から錠剤が送られてきます。大量の放射線を浴びてしまった時に服用するものです。
駅に行くと、軍事訓練に向かう迷彩服姿の頑強な若者たちをよく見かけます。凛々しいです。女性もいますね。
スイスと同じように、日本も美しい国です。日本を訪れたことのあるスイス人は、みんなそう言います。彼らからは素晴らしい経験の話しか耳にしません。
しかし、日本人が平和の尊さを実感していないのがとても残念です。もっと真剣に国防について考えてほしいです。「平和とは何ですか?」ということです。「平和は永遠に続くものだ」と考えていると、いつかやってくるかもしれないツケは想像以上に大きいものになるでしょう。自信を持って美しい国・日本を守ってほしいです
Cさん: スイスの飛行場は、侵略された場合を想定して、敵に使用されないように爆破できるようになっています。山岳地帯のトンネルには、滑走路が建設され、日々訓練もされています。
ある地下施設には、兵隊が生活できるように、ベッドやシャワー、食料、武器弾薬、無線、コンピューターなどの必要なものが設置されています。平地から山岳部の中間に建つ家の窓には、見事にカモフラージュされた大砲があるなど、戦争に備えています。
スイスでは、そうした日常が当たり前のようにあるので、最近の日本の国会審議を見て腹が立ちました。民進党や共産党などはまったく危機感がなく、日本を他国に売り渡そうとしているとしか思えませんでした」
◆ ◆ ◆
スイスは、「永世中立国」を掲げている国としても有名だ。だが、それは戦わないということを意味しない。国内をハリネズミのように防衛するとともに、国連の要請に基づいた海外派兵にも応じている。
つまりスイスは、戦闘から決して距離をとっているわけではない。平和は守ることで実現できるものだと認識している。
日本は、そんなスイスの姿から「戦争と平和」についての考え方を学び取ることができるはずだ。
(山本慧)
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