台湾が日本にラブコールを送るワケ - 日本も核装備を
2016.02.29
民進党の蔡英文氏。
2016年4月号記事
"スター・ウォーズのヨーダ"が台湾総統に
台湾が日本にラブコールを送るワケ
contents
台湾にどのようなイメージを持つか。グルメ、温泉、観光地、親日―。
こうした印象を抱く日本人は多いだろうが、「台湾は国? それとも中国の一部?」と聞かれたら、答えに戸惑うだろう。
蔡英文ってどんな人?
ヨーダ。映画スター・ウォーズの騎士(ジェダイ)のマスターである。
そんな台湾で新しくかじ取りを担うのは、民進党の蔡英文主席(59歳)。蔡氏は5月、女性初の総統として正式に就任する。
日本ではなじみの薄い蔡氏だが、2匹の猫と暮らす庶民派で、「スター・ウォーズのヨーダに似ている」と言われている。親しみやすいオバチャンに見えるものの、政治的な主張は硬派そのもの。日本に対しては、次のようなメッセージを発信している。
- 「(日本とは) 地域の安全保障や貿易自由化で、台頭する中国に共同で向き合いたい 」(2011年10月4日)
- 「 日米同盟の有効性が台湾の利益に重大な影響を与えている 」(同)
- 「 安保関連法があってもなくても、日本が地域の安全に重要な役割を果たすよう期待している 」(15年10月1日)
「親日反中」的な人物であることが分かる。
台湾は「中国領」か否か
ここで、冒頭の「台湾は国?」という問いに戻る。結論から言えば、国際社会では「国ではない」と見なされている。この経緯を理解するには、先の大戦までさかのぼる必要がある。
日本が大東亜戦争でアメリカに負けた後、中国大陸では、共産党と国民党の内戦が続いた。この戦いに敗れた国民党は、台湾に逃亡。共産党は中国大陸を掌握し、1949年に中華人民共和国(現在の中国)を建国した。 これ以降、国際社会は、中国と台湾のどちらが正当な政府であるかを問題視。アメリカは当初台湾寄りだったが、ベトナム戦争を終結させるために、中国の支援を得る見返りとして、台湾を見放した。71年、国連総会の議決で、中国の代表権は「中華人民共和国にある」とされ、台湾は国連から脱退せざるを得なかった。
その後台湾では、国民党が「中国の再統一」を目指す一方、蔡氏が率いる民進党は、「独立国」として国際社会に復帰するという考え方で対立している。
しかし、中国にとっては、台湾も領土の一つ。台湾併合は建国以来の悲願でもある。そのため、「中国共産党創立100周年を迎える2021年に、台湾の支配を狙っている」という、中国専門家の指摘もある。
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