全国の同性愛者455人が「同性婚の法制化」を政府や国会に勧告するよう、日弁連に「人権救済」を申し立てたことが、このほど各紙で報道された。申立書では、同性カップルは遺言書がなければパートナーからの相続が認められないことや、公営住宅への入居が認められづらいことなどの不利益を被っていると指摘している。

アメリカでは連邦最高裁判所が「同性婚禁止は違憲」との判決を出し、今後全米で同性婚が事実上、合法化された。こうした動きが、日本にも影響しつつあるのかもしれない。

日本でもすでに、東京都渋谷区では「パートナー条例」が可決され、同性カップルに対し「結婚に相当する関係」を認める証明書を10月末から発行する見込みだ。渋谷区民や区内の事業者には同性カップルを夫婦と同等に扱うように求め、条例に反した事業者は区が公表する。

少数者への配慮を欠いた社会であってはならないのは当然で、同性カップルを嘲笑したり、社会から排除したりすべきでないのは言うまでもない。ただ、もし同性婚が社会の「主流」となったならば、少子化が加速し、「文明の終わり」につながることも否定できない。

一般的に、「人権問題」に分類された事柄については、それに対する言及自体がタブーとなりがちだ。同性婚を求める人々が「善」で、「虐げられた弱い人たち」であるかのように強調されすぎた場合、「同性婚のマイナス面や危険性」について議論をすること自体ができなくなる恐れがある。

同性愛があまりに流行すれば、男女が存在することの意義が見失われ、数十年単位で見ると国家が崩壊していくことがありうる。同性愛者を理解しつつも、その結果、社会全体がどうなっていくのか、考える冷静さを持ちたい。(賀/晴)

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