自民、公明両党は、安全保障法制に関する与党協議を開き、集団的自衛権の限定行使を容認することなどを盛り込んだ新たな安保関連の2つの法案について、最終合意した。政府は、15日に国会に提出する見通しで、遅くとも8月上旬までの国会成立を目指す。
日本の平和と安全に関する法案
最終合意した2つの法案のうちの1つの「平和安全法制整備法案」は、自衛隊法などの10本の現行法をまとめて改正するものだ。
その一つである重要影響事態法案(周辺事態法の改正案)については、政権が「重要影響事態」と判断すれば、場所の制約なしに世界中で、日本を防衛する目的で活動する他国軍を後方支援できるようになる。この法案は、自衛隊の派遣についての国連決議を必要とせず、緊急時には、国会の事後承認も認めるものだ。
また、武力攻撃事態法改正案には、集団的自衛権を行使する要件として「存立危機事態」が新設された。これには、昨年7月に閣議決定された要件が明記される。それは、日本が直接、武力攻撃を受けていなくても、日本と密接な他国が武力攻撃されて日本の存立が脅かされ、他に適当な手段がなく、必要最小限度の実力行使であるというものだ。朝鮮半島での有事や、ホルムズ海峡での機雷除去などを想定している。
自衛隊法改正案には、武力攻撃を受けているとは言えない「グレーゾーン事態」への対応が盛り込まれた。武装集団による離島の不法占拠、他国の軍艦の領海侵入、公海上での民間船舶に対する攻撃などを想定する。電話による閣議決定を認め、政権が自衛隊に対し、「海上での警備」や「治安出動」※を素早く命じることができるようになる。
※治安出動:警察では、治安を維持することができないと認められる場合、内閣総理大臣の命令または都道府県知事の要請により、自衛隊が出動すること
世界の平和と安全に関する法案
最終合意した2つの法案のうちのもう1つの「国際平和支援法案」は、多国籍軍への後方支援を可能にする恒久法だ。恒久法とは、有効期間を限定しない法律を指す。今までのように国会の審議を経て、特別措置法を成立させなくとも、現に戦闘行為を行っている現場でなければ、自衛隊の海外派遣が随時可能になる。
中国という軍事的な脅威が迫り、北朝鮮の核開発が着々と進められている情勢を鑑みると、今回の2つの法案のような安全保障関連法案は早期に成立させなければならない。ただ、憲法9条によって自衛隊の活動が制限されていることに変わりはない。
「日本が何もしなければ、日本に戦争は起こらない。いざとなれば米軍が守ってくれる」という考えから、日本国民一人一人が脱しなければならない。日本国民も、憲法9条を改正するための声を上げ、日本を、自分の国は自分で守る、真の独立国にしなければならない。(泉)
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