中国はユネスコを通じて、国際社会に「日本悪玉史観」を広めようとしている。写真は、2014年3月27日、フランスのユネスコ本部で会談した習主席(左)とボコバ事務局長。写真:ロイター/アフロ
2015年5月号記事
The Liberty Opinion 1
判明!
これが中国が提出した「南京大虐殺ねつ造資料」だ
ユネスコ記憶
遺産なぜ日本政府は反論しないのか?
ユネスコ記憶遺産への登録を目指し、中国は「南京大虐殺」と「従軍慰安婦」に関する資料を、国連教育科学文化機関(ユネスコ)に登録申請中だ。今年5月から審議が開始され、遅くとも8月までには登録の可否が決まる。
このほど中国が申請した「南京大虐殺」の資料の内容が判明した。 その主な内容は次の通りだ。
- 日本軍の蛮行の様子を写したとされる16枚の写真
- 日本軍の虐殺を写したとされる通称「マギー・フィルム」
- 日本軍の虐殺を記録したとされる中国人の日記
- 虐殺を証言したとされる日本兵の供述書
戦後70年を迎えた今年、中国はこれらの資料を「南京大虐殺の証拠」として、記憶遺産への登録を目指している。
「南京大虐殺」はプロパガンダ
しかし、その内容を調べてみると、 写真や映像に日本軍の蛮行はなく、虐殺や強姦も伝聞情報であることが分かった。虐殺を裏付けるものではなく、意図的にねじ曲げられた情報だ。
そもそも、これまでの日本の学者たちの研究により、南京大虐殺は日本を悪者にするための戦後のつくり話であることが分かっている。
中国がそれを持ち出し続ける背景には、現在の自国の軍拡を正当化する思惑がある。中国にとって、南京大虐殺は反日プロパガンダ(政治宣伝)の道具に過ぎないのだ。
日本政府は、中国の「ねつ造」に対して全力を挙げて反論しなくてはならない。
ユネスコ記憶遺産とは
人類の資料上の遺産を、忘却、放置、そして意図的な破壊などから守るため、1992年にユネスコが設立した事業。 現在登録されている資料は200点近くに上り、ベートーベン直筆の交響曲第9番の草稿や、藤原道長の日記『御堂関白記』などがある。通称は「世界記憶遺産」。
中国とユネスコの“怪しい"関係
中国は近年、アフリカへの支援などを通じてユネスコに急接近している。
習近平・中国国家主席は昨年3月、ユネスコ本部(フランス)に訪れてイリナ・ボコバ事務局長と会談した(上写真)。記憶遺産への登録を実現させるための布石と見られる。
ボコバ事務局長も昨年9月、「私たちは、中国と特別な関係にあると言える」と述べるなど、中国とユネスコが“親密な関係"にあることは公然の事実だ。