幸福の科学大学の不認可を巡り、学校法人幸福の科学学園は下村博文・文部科学相に対して、11月7日に異議申し立てを行い、26日には設置審議中に文科相が行った「不正行為」についての弁明請求を行った。

今回は、下村文科相および大学設置室などが行ってきた不正行為の概要をまとめた。

(前編からのつづき)

(6)下村文科相による宗教法人への「出版妨害」と「言論・出版の自由」の侵害

下村氏は、幸福実現党の職員の携帯電話に連絡を入れ、「大川隆法総裁の書籍の出版差し止めと幸福の科学大学の認可」のバーター取引を持ちかけてきた事実があります(発言内容は以下)。

これは、大学設置の許認可権を利用した極めて悪質な「不正行為」です。「公人」としての権力を使って出版妨害を行うことは、言うまでもなく「言論・出版の自由」の侵害であり、違憲行為に当たります。

6月7日に発刊された『文部科学大臣 下村博文守護霊インタビュー』という書籍に関して、発刊前日の6日、下村氏は以下のように電話で同職員に話しました。

「役人が(同書籍の原稿の)コピーを持ってきた。今だったら、対応の仕方がある。本部のしかるべき人に話をしてくれないか。本のストップ(出版中止)は当然のことだ(中略)。今だったら対応の仕方がある」

(7)下村文科相による幸福実現党への"脅迫"

上記の電話を受けた同職員は、大学設置には何の関係もない第三者です。その人物の携帯に現職の大臣が直接、「出版差し止め」を求める電話をしたことは不可解です。

実際、同職員は、幸福実現党の活動を押さえ込もうとする脅迫の意図があったと理解しています。同党は、消費増税反対を掲げ、安倍政権に対する批判も行なっていました。

(8)下村文科相は、自分の守護霊霊言を「公に」否定するために不認可にした

不認可理由は不自然なほど「霊言」の否定に集中していますし、実際、下村氏は霊言本の出版妨害を行っていました。

これを見れば、幸福の科学大学の不認可は、下村氏が自分の守護霊霊言の内容を「公の場」で否定するためのものだったことは明らかです。個人的な事情で権力を行使したことは、明確な「不正行為」です。

(9)下村文科相は、権力を「票とカネ」に変えている。

下村氏にまつわる「政治とカネ」の問題が次々と明るみに出ています。

  • 下村氏が代表を務める自民党東京本部第11支部は、文科省から補助金を交付された2つの学校法人から計10万8千円の献金を受け取っていた。政治資金規正法違反の疑い。

  • 国内で37年ぶりとなる医学部の開設候補として東北薬科大学を選定。その直後の9月27日、下村氏の後援団体「東北博友会」が仙台市内で会費1万円の講演会を開催し、同大学理事長を始め、医師や教育関係者などが多数参加。露骨な「票とカネ」集めとして、非難された。(週刊誌「フライデー」(10月17日号))

  • 政府の教育再生実行会議のメンバーの中に、下村氏の同支部に計156万円を寄付していた学習塾グループの代表が選出されていた(11月20日付毎日新聞)。

政治権力を「票とカネ」に変えたことは、まさに「不正行為」そのものです。不認可となった幸福の科学大学は、下村氏の後援団体や支部には金銭的な寄付を行っていませんでした。

(10)下村文科相の「霊言」否定は、宗教弾圧

下村大臣が不認可の理由の中で「霊言」を否定したことは、キリスト教、仏教、天理教など他の宗教系大学の正当性まですべて否定したことになります。

霊言は宗教行為であり、伝統宗教から新宗教まで幅広く見られます。行政の長が、霊言を公に否定したことは「信教の自由」の侵害であり、それを理由に大学を不認可にしたことは「学問の自由」の侵害です。

今回の不認可は、下村文科相による「宗教弾圧」と言えます。

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