幸福の科学大学の不認可を巡り、学校法人幸福の科学学園は下村博文・文部科学相に対して、11月7日に異議申し立てを行い、26日には設置審議中に文科相が行った「不正行為」についての弁明請求を行った。

今回は、下村文科相および大学設置室などが行ってきた不正行為の概要をまとめた。

(1) 審議ルールを破った その1「『霊言』に基づく教育と一方的に断定した」

大学設置審査は、「書面、面接、又は実地により行う」ことになっており、それ以外のものを参考にすることは認められていません。

幸福の科学大学が提出した申請書類には、「霊言」に基づいて教育を行うという趣旨が記載された文書はまったくありませんでした。

しかし、審議会や下村氏は、「霊言を根拠とした教育は認められない」との趣旨で不認可にしました。一方的な予断であり、書面で行うという審査ルールを破っています。

(2) 審議ルールを破った その2「教団ホームページの内容を参考にして不可にした」

大学設置審査は、「書面、面接、又は実地により行う」ことになっており、それ以外のものを参考にすることは認められていません。

しかし、大学設置室の新木聡室長は、教団ホームページの内容を参考にして、「『霊言を根底にした教育をする』と類推して、不可にしました」と証言しています。

大学側は19000ページに及ぶ書類を提出したにもかかわらず、ホームページから類推して判断するとは審議ルール破りもいいところです。

(3) 審議ルールを破った その3「禁止されている『不意打ち』で不認可にした」

審査においては、1回目に出さなかった是正意見を2回目以降に出してはいけないと言うルールがあります。これは、申請者にとって「不意打ち」であり「後出しジャンケン」になるからです。

実は、大学設置室は約2年にわたるやり取りの中で、一度も「霊言」を問題視してきませんでした。それが突如、10月31日の最終段階で、「霊言」を理由に不認可の通知を出しきました。明らかな「不意打ち」だったのです。

(4) 審議ルールを破った その4「前任の室長との内諾が引き継がれなかった」

前任だった今泉柔剛・大学設置室長は、幸福の科学大学に対して、「霊言は問題にはならない」「幸福の科学教学を単位に含んでもかまわない」という趣旨の約束をしていました。

しかし、認可に向けて調整していた今泉室長が、審議中の7月25日にいきなり異動になりました。後任の新木室長はなんと、不認可を通知する10月31日まで、事務相談の場に一度も姿を現さなかったのです。今泉前室長との内諾は反故にされました。

(5) 下村文科相の職権乱用 「認可に向けて調整していた室長を突然、異動にした」

下村氏は、認可に向けて調整していた今泉室長を、審議中に突然、人事異動させました。幸福の科学大学との交渉内容は引き継がれず、審議の流れは一変しました。

「行政の継続性」という根本的なルールを大臣自ら破ったこの人事異動は、下村氏の職権乱用です。

(次回、(6)~(10)に続く)

【関連記事】

2014年11月27日付本欄 【大学不認可問題】文科省に夢を打ち砕かれた教員と生徒たちがその思いを吐露

http://the-liberty.com/article.php?item_id=8821

2014年11月14日付本欄 【大学不認可問題】幸福の科学大学を志望していた高校生の涙

http://the-liberty.com/article.php?item_id=8728

Web限定記事 幸福の科学大学「不可」答申に対する反論記事

http://the-liberty.com/article.php?item_id=8698