イスラエル軍の空爆を受けたパレスチナ自治区ガザ北部の町ベイトラヒヤ。(写真:ロイター/アフロ)
2014年12月号記事
Part2
イスラエル・パレスチナ紛争
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イスラム国が注目される以前は、イスラム組織ハマスとイスラエル軍の戦闘による多数の民間人の犠牲が、国際社会で問題視されていた。現在は停戦合意し、ガザの復興も始まっている。だが、停戦と戦闘をくり返すイスラエル・パレスチナ紛争を終わらせることはできるのか。
イスラエルのユダヤ人少年3人が6月末、遺体で見つかった。その数日後、今度はパレスチナの少年が誘拐・殺害された。これを機にイスラエル軍がパレスチナ自治区のガザ地区を空爆。イスラエルとハマスの報復合戦が始まった。
50日間続いた戦闘により、民間人を含む2千人以上のパレスチナ人が犠牲になった。さらに、停戦合意後の10月、同自治区の東エルサレムで、イスラエル側が新たに入植していることが発覚。対立が続いている。
聖地エルサレムをめぐる戦い
1948年、パレスチナの地にイスラエルが建国されて以降、この地では4度の大きな戦争と度重なる戦闘が続いている。この背景には、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教の聖地エルサレムをめぐる千年以上続く戦いがあり、その出口は見えない。
キリスト教国のアメリカはこれまで、同盟国としてユダヤ教国のイスラエルに肩入れしてきた。
その大きな理由は、キリスト教の源流がユダヤ教にあることだ。また、アメリカの経済界や政府の要人にユダヤ系が多く、盛んなロビー活動によってイスラエル寄りの政策をとるよう働きかけている影響も大きい。
アメリカから最新の兵器を供与されるなど多大な軍事的支援を受けるイスラエルは、中東唯一の核武装国。当然、周辺のアラブ諸国は脅威と見ており、イスラエル・パレスチナ紛争は、「ユダヤ・キリスト教 対 イスラム教の戦い」という構図になっている。
この紛争の発端は何なのか。また、その歴史的背景には何があるのか。そして、その奥にある宗教的な真実とは──。