米大手IT企業のアップルとフェイスブックがこのほど、社員の「卵子の凍結保存」を医療保険の適用対象にすると発表した。この保険では、卵子凍結を含む妊娠医療の費用のうち、およそ2万ドルを支給するという。

女性の卵子は、年齢と共に受精時の着床率が下がってしまう。そのため、妊娠予定のない若い間に卵子を冷凍保存しておき、時間に余裕ができてからそれを利用して妊娠・出産するという技術が実用化されている。日本でも、すでにこの方法で出産した人がいる。

これを利用すれば、若い間に仕事に打ち込んで実績を上げてから出産・育児に取り掛かる、という人生計画も立てることができるようになる。こうした技術の発達は、女性にとって男性との出世競争の追い風になるだろう。

ただ、凍結した卵子の保管期間はおよそ10年ほどであり、高齢出産のリスクそのものは変わらない。さらに、卵子を凍結した人の中には「しばらくは大丈夫」と安心したのか、パートナー探しをしないまま年齢を重ねるケースがあると、心配する産婦人科医もいる。

出産に関わる技術は今後も開発が進むだろうが、その背景に、女性の社会進出が女性にとって絶対的に「進歩」であるという考え方があるとしたら、やはり極端だろう。

出産や育児は、金銭に換算するような評価ができない尊い仕事であり、魂修行の機会でもある。人は皆、生まれる前に人生計画を立ててくるが、女性が全員、男性と同じように職業に一生を捧げる計画を立てる訳ではない。

大川隆法・幸福の科学総裁の霊言の中で、邪馬台国の女王であった卑弥呼の霊は、男性並みのキャリアを積む女性が増えていることを念頭に、「女性のなかで、男性と伍して、あるいは、男性以上の仕事をされる方が出ることは否定しませんが、やはり、『女性としての幸福を目指す方々が損をするような世の中をつくってはいけないのではないかなあ』という気はしているんです」(『卑弥呼の幸福論』大川隆法著)と語り、女性にしか担えない役割の尊さや、神様が男女をあえて分けて作られたことの意味が軽視される風潮に警鐘を鳴らしている。

女性の人生における自由度が高くなることはいいことだ。しかし、会社仕事を通して得られる幸福以外にも、女性だけに与えられた幸福や神に期待される役割についても改めて考え直してみるべきだ。(居)

【関連書籍】

幸福の科学出版 『卑弥呼の幸福論』 大川隆法著

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