ロイロ・ゴレス

プロフィール

(Roilo Golez)1947年1月9日フィリピン・ロンブロン州生まれ。政治家。海軍士官、フィリピン赤十字代表などを経て、フィリピンの産業都市パラニャーケシティで下院議員として選出され、6期15年務めた。郵政大臣、国家安全保障担当補佐官などを歴任。フィリピン下院には連続して当選できないため、現在は一政治家として活動。

南シナ海でのベトナム船と中国船の衝突は記憶に新しい。中国は一方的に南シナ海に線を引き、「九段線」と名付けて、ベトナムやフィリピンの排他的経済水域(EEZ)も含む領域の領有権を主張している。ベトナムと並び、中国に対する抗議の姿勢を明確にしているフィリピンで、10年以上前から中国の脅威を訴えてきた元下院議員のロイロ・ゴレス氏に話を聞いた。全3回の第2回。

――日本の自衛隊についてどう思いますか?

ロイロ・ゴレス氏(以下、ゴレス): 安倍首相は、シンガポールの会議で、南シナ海周辺で中国に対応していくつもりだと述べました。また、安倍首相は、日本がフィリピンのような東南アジアの国に武器を供給することを可能にしています。まず、沿岸警備隊の船の供与が始まりました。すでに10隻の警備艇の供与が決まっています。
「はやぶさ型ミサイル艇」のような日本製のミサイル艦艇をいくつか見たことがあります。「はやぶさ」は全長約50メートルのミサイル艇で、パラワン島周辺における防衛に非常に理想的です。ミサイルが搭載でき、小型で、最大44ノットという高速で動けるからです。排他的経済水域のターゲットを狙い撃ちできます。
駆逐艦のような大型の艦船はあまりにも高価で、標的にもなりやすいので、日本の警備艇のような小型のミサイルボートが沢山あったほうがいいと考えています。