日本の調査捕鯨の再開について、スロベニアで行われた国際捕鯨委員会(IWC)総会は厳しい判断を下しました。
今回の総会で日本の代表は、南極海での調査捕鯨を2015年に再開すると表明しました。しかし、IWC総会は18日、16年の総会まで日本の捕鯨再開を事実上先延ばしする決議案を採択したのです。今回の決議に拘束力はないため、日本は15年に再開する意向を示しています。
IWCに加盟している88カ国のうち、反捕鯨国は49カ国、捕鯨支持国は39カ国と、過半数が捕鯨に反対しています。また、今年3月、国際司法裁判所は「日本は調査捕鯨の条件を満たしていない」というニュージーランドの訴えを受けて捕鯨中止の判決を出し、日本はそれに従っていました。
IWCは、鯨の乱獲を防ぐ目的のため作られた国際組織です。1970年代までは、世界の多くの国が燃料用の鯨油を目的に乱獲していました。しかし、石油化学工業の発達などで捕鯨国は減り、現在は頭数も増え、一定の範囲内であれば頭数を維持できることが分かっています。しかし、欧米を中心に、捕鯨という行為そのものへ抵抗が根強いのです。
駐日本アメリカ大使のキャロライン・ケネディ氏も今年1月、自らのツイッターで和歌山県太地町でのイルカの追い込み漁について、「非人道的」であり、「米国政府はイルカの追い込み漁に反対します」と非難したことが話題になりました。
なぜ国際世論で、捕鯨やイルカ漁への批判が集まっているのでしょうか。その背景には、日本と欧米諸国との、生き物に対する考え方の違いがあるようです。
キリスト教圏では、「人間は神が息を吹き込んで魂が宿ったもの」と思われている一方、動物については言及がないため、「魂がない」と思われています。そのため、牛や豚を食べることについては問題が生じません。しかし、知能指数が高いクジラやイルカについては「魂があるのではないか」と思うため、食用にすることに抵抗を持つ人が多いといいます。
また、欧米諸国の思想のベースにある旧約聖書の「ヨナ書」の記述も関係しています。この中には、後に預言者となるヨナが、「大いなる魚(鯨)に飲まれるが、おなかの中で生き延び、吐き出される」という場面があります。そのため、鯨は一種の聖なる動物だと考えられているのです。
しかし日本では、鯨やイルカに限らず、万物に魂が宿ると考えている人が多いでしょう。大川隆法・幸福の科学総裁は、犬や猫などの哺乳類から魚、さらに植物に至るまで魂が宿っているという霊的真実を明らかにしています。つまり、私たち人間は、「魂が宿っている生物」を食べずに生きていくことはできないということです。
日本人が食事の前に「いただきます」と言う習慣は、「生命を頂いている」ことへの感謝を捧げるという意味もあり、実は生命への深い理解に裏打ちされていると言えるでしょう。
捕鯨の問題一つをとっても、日本は海外に対し、日本の文化や生命に対する考えを丁寧に説明する必要があるでしょう。そしてこの問題をきっかけに、日本人も、「魂」について考えを深めていく必要があるのではないでしょうか。(晴)
【関連書籍】
幸福の科学出版 『超・絶対健康法』 大川隆法著
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