終末治療の研究者で内科医のプラナイ・シンハ氏が、4日付米ニューヨーク・タイムズ紙に「医師の自殺」に関して寄稿している。ニューヨーク市で8月、病医学実習生で2カ月目の学生が自殺する事件が相次いで2件起きたことを受けてのものだ。アメリカで自殺する医者は年間400人にのぼるといい、医学実習生の9.4%が「最近2週間の間に自殺を考えたことがある」と回答したという調査結果もある。
シンハ氏は「彼らの詳しい事情はわからないが、医学実習を始めたばかりの学生が受ける肉体的疲労や精神的疲労、自己不信については理解できる」としている。労働時間の長さに加え、受け持つ患者が増えることで受けるプレッシャーなどにより、同氏も、ひどい疲労と医療ミスの多発を経験したと告白している。また、「初めて死亡証明書にサインするときの悲しさ」については、医者同士で悲しみを共有する必要があると語る。
患者の生命を救うことを志して医者になった人々が、自ら生命を断つというのはあまりに悲しい。しかも、自殺した人の霊は天国に行けず、地上で迷うことになる。医者であっても、死後の魂について知らなければ、患者どころか、自分さえ救えなくなってしまうのだ。
また、成仏できず地上で迷っている霊が、生きている人に取り憑き、自殺に追い込むこともある。死後も魂は生きているということを知らなかった患者の霊が、ストレスや不安を感じている医者に取り憑いている可能性もある。臨終の際、医者が「あなたは死んで、魂はあの世に帰るのだ」という思いを込め、それが亡くなった患者に伝われば、あの世への旅立ちを手助けすることにもなる。
医学界でも、死後の生命を前提と考える動きは始まっている。その一つは臨死体験の研究だ。本誌10月号に掲載した、臨死体験研究の第一人者で医師のレイモンド・ムーディー氏のインタビューによれば、アメリカで臨死体験を認める医者が増えているという。患者の体験を目の当たりにする例がかなり増えている上、医者自身が臨死体験をすることも多くなっているからだ。
医者が死後の生命の存在を認めることは、医者自身を自殺から守ると同時に、多くの患者の死後の幸福にもつながるはずだ。(晴)
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