中国・上海に9月、「死」を疑似体験できる施設が開設されると、CNNが報じている。

このアトラクションでは、参加者はまず「死を免れるためのゲーム」に挑戦する。ゲームに失敗した参加者は、ベルトコンベアに載せられて葬儀場を通り、火葬場を真似た施設に入れられ、照明や熱風で火葬を疑似体験する。その後、再生をイメージさせる、子宮に似たカプセルに入れられる。ちなみに、ゲームに成功した参加者も、やはり火葬場に送られる。共同創設者のディン・ルイ氏によると、「すべての人が死を免れないから」だという。死に際して自分が何を思い、どう感じるかを体験することで、生を大切にすることを勧めるコンセプトのようだ。

もう一人の共同創設者のホアン・ウェイピン氏は元トレーダー。「中国は私を金持ちにしてくれたが、豊かになってから、どのように生きたらよいかは教えてくれなかった」と語る。心理学などを学び、2008年の四川大地震ではボランティアとして現地を訪れた。

この施設を立ち上げるため、新規事業のための資金を集めるサイトで呼びかけたところ、3カ月で約670万円集まり、目標金額を超えた。ホアン氏は、「死について興味津々な中国人が多いことがわかった」という。

唯物論を党是とする中国共産党政府にとって、転生輪廻をイメージさせるこの施設は、規制の対象になるのではないかと懸念されるが、ひとつ注文をつけるとすれば、この施設は「死」について考えさせはするが、「あの世」について教えるものではない、ということだ。死期が迫るにつれて気にかかるのは、「あの世があるのかどうか。あるとすれば、自分はどのような世界に行くことになるのか」、ということだろう。

幸福の科学では、「生き通しの生命」について教えている。人間の本質は知性あるエネルギー体、魂であり、死後もその個性を維持する。魂はあの世に還り、自分の心の持ち方にふさわしい世界に赴く。やがて再び地上に生まれ変わり、転生輪廻を繰り返す中で、さまざまな人生経験をして魂として成長していく。

死に対する疑問や、豊かになった後の生き方について疑問が生まれるのは、中国人の宗教心の表れとも言える。唯物論の共産主義国家であっても、人間の本質である宗教心そのものは消し去ることができない。中国の人々の疑問に答えるためには、中国で信教の自由が認められる必要がある。(居)

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2013年12月1日付本欄 「人は転生輪廻している」 驚愕の証拠の数々が米で出版

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