7月、スイス・ジュネーブで開かれた、国連の自由権規約委員会の様子。

2014年10月号記事

ジュネーブ・自由権規約委員会「従軍慰安婦」への賠償を勧告

国連は左翼言論の独壇場になっていた!

国連の自由権規約委員会が7月下旬、日本の人権状況に対する審査を経て、日本政府に対し「元慰安婦らに『完全な賠償』をする必要がある」と勧告した。だがこの裏には、日本の左翼活動家たちの活発な動きがあった。委員会を傍聴した、「論破プロジェクト」の藤井実彦代表に話を聞いた。

(編集部 河本晴恵)

「日本は責任を公式に認めて謝罪し、元慰安婦らに『完全な賠償』をするように」

スイス・ジュネーブにある国連欧州本部の自由権規約委員会は7月24日、日本の人権状況について、こう勧告した。

それ以外に、日本での韓国人や中国人に対するヘイトスピーチの禁止も盛り込んだ。秘密保護法についても、人権侵害の恐れがあるなどと懸念を示した。

この委員会では、国際人権規約に基づき、167の締約国が互いに差別や表現の自由などの人権状況を審査し、最終勧告を出す。法的拘束力はないが、「国連」の名前に弱い日本人にとっては、大きなインパクトがある。

日本の左翼の言い分がそのまま国連の勧告に

この勧告以前の同月15、16の両日、同地では、人権状況に対する日本政府への審査が行われた。

審査で同委員会は、慰安婦問題について、「日本は、遠回しな『慰安婦』ではなく、適切な呼び方である『強制性奴隷』の呼称を使うべきだ」(7月17日付産経新聞)と厳しく指摘。なぜこの委員会は、これほどまで確信を持って慰安婦批判を展開するのか。

実は、この審査に先立つ14、15の両日、同地では、同委員会メンバーに対する、各国NGO主催のブリーフィング(事情説明)の機会が持たれていた。

日本のブリーフィングを主催したのは、日本弁護士連合会やヒューマンライツ・ナウなどがつくる「ジャパン・NGO・ネットワーク」。つまり 同委員会の対日勧告は、日本の左翼団体の偏った情報が基になっていたのだ。

この左翼言論の独壇場となっていた委員会に、今回、日本から保守系の団体が参加。そのうちの一人で、今年1月、フランスのアングレーム国際漫画祭で、「慰安婦の強制連行はなかった」と訴える漫画を出品した、「論破プロジェクト」代表の藤井実彦氏に、委員会の内幕について聞いた。