北朝鮮でのキリスト教徒への迫害と人権弾圧を描いた映画「神が送った人」が韓国で公開され、大ヒットしている。この映画は19日に、韓国の国会内で上映されるほか、国連の人権理事会や英議会でも特別上映の予定。現在、日本での公開は未定だという。

この映画の脚本は、キリスト教徒の金鎮茂(キム・ジンム)監督が自ら行った脱北者や人権団体への聞き取りをもとに、1年かけて執筆した。舞台は中朝の国境にある咸鏡北道(ハムギョンブクド)の村で、地下教会で活動する住民たちが自由を求めて脱北を試みるというストーリーだ。

映画の冒頭は強烈な拷問シーン、エンディングには北朝鮮で撮られた実際の処刑シーンが収められている。金監督は韓国内のテレビ局のインタビューに対し、「オープニングとエンディングのシーンは氷山の一角です。一部では残酷すぎるという指摘もあるが、観客に不都合な真実を正面から見てほしかった」と語っている。

北朝鮮の人権弾圧の実態は、韓国国内でも十分には知られていないようだ。主人公のチョルホを演じた金寅權(キム・イングォン)氏は先月22日の制作発表会で、「最近は人権問題やキリスト教迫害の話題など、北朝鮮関連の話がニュースでもたくさん報じられている。でも、僕がこのシナリオを受けた時は、これほど多く話題にされていなかった」と話す。ソウル市内で映画を見た観客は「北朝鮮の現実についてあまりに無知だった」と感想を述べている(2月25日付朝鮮日報)。

国連調査委員会が北朝鮮の人権弾圧についての報告書を発表するなど、北朝鮮に対する国際的な圧力は強まっている。ただ、韓国が国際社会で声高に叫ぶのは、ねつ造された旧日本軍の慰安婦問題ばかりだ。このほど、国連人権理事会で、尹炳世(ユン・ビョンセ)外相は、「忘れられたホロコースト」として、慰安婦の強制連行を事実上認めた河野談話を検証しようとする日本の動きを非難した。

その一方、朴槿恵大統領は北朝鮮との統一を目指すと発言し、経済協力を進める考えを明らかにしている。今もなおホロコーストに匹敵する「人道に対する罪」を国家ぐるみで行っている北朝鮮ではなく、本来なら協力し合うべき日本を糾弾するのは、「弾」を撃つ先を間違えていると言わざるをえない。

実際には、北朝鮮がいつ韓国を軍事的に挑発してもおかしくない状況であり、韓国が自国を守るためには、日米との協力が欠かせない。過剰に日本を非難して自国を危機にさらすのではなく、歴史的事実と北朝鮮国内の悲惨な人権弾圧といった「現実」と向き合い、日本とも協力できる姿勢を整えるべきだ。(晴)

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