福島第1原発の事故以降、福島県田村市の都路地区に出されていた避難指示が、4月1日に解除される。今月23日に開かれた避難住民との意見交換会で、赤羽一嘉・経済産業副大臣が表明した。都路地区は、原発の半径20キロ圏内の旧警戒区域。この区域で避難解除されるのは初めてとなる。

今回の避難解除自体は、喜ぶべきことだ。しかし、この地域の放射線量は年間20ミリシーベルト以下。年間100ミリシーベルト以下の被ばくは健康に問題がないという国際認識を考えれば、事故直後の段階でも避難解除できた。旧警戒区域で初とは言え、もうすぐ震災から3年が経つことを考えれば、遅すぎる解除である。

実はこの都路地区については、政府と市が昨年11月1日に避難解除する意向を示していた。しかし住民の一部から、「年間1ミリシーベルト」を超える地域の除染を求める声などが相次ぎ、解除が見送られた経緯がある。

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