先日、本欄で報じたジャーナリストの佐々木俊尚氏と幸福の科学IT伝道局局長の林洋甫氏の対談が幸福の科学公式YouTubeチャンネルで公開された( http://info.happy-science.jp/2013/8941/ )。

対談のテーマは「宗教と科学」。現代社会における宗教のあり方や、宗教とテクノロジーの未来について、議論は白熱した。前回に引き続き、その一部を紹介する。

宗教に対する抵抗感が強い現代日本。この対談が告知されて以降、ネット上では佐々木氏のツイッターアカウントを中心に論争が巻き起こり、ジャーナリストの田原総一朗氏が対談について、ニュースサイト「BLOGOS」の取材を受けるほどの騒ぎとなった。

対談で佐々木氏は、「カルトの定義は、その国の法律に反した行いをしているかどうかだと思う。オウム真理教はカルトだと思うが、幸福の科学はカルトじゃないと思っている」と発言した。一方で、宗教には「多様性を認めない」というイメージが強く、信者以外が組織に入って行きづらい状況があることを指摘した。

これに対し林氏は、幸福の科学では「霊言」においても、500人ほどの霊人の矛盾した内容のものを公開しており、他の宗教の存在を認めていると発言し、幸福の科学の幅の広さを主張。また、「霊言にはジャーナリズム的なところがあり、時事的な問題の霊的背景を探ることで、真実がどこにあるかを明らかにしている」と、その意義を語った。

これに対して佐々木氏は「真実を明らかにするということは、一つの価値観の提示になり、多様性の否定になるのではないか」と指摘。林氏は、「宗教が時代に合わせて教義をイノベーションできるかどうかが、一つのポイントなのではないか」と答えている。

質疑応答では、インターネットがもたらす多様性や自由、人と人とのつながりに関する問いかけがなされた。佐々木氏は、今の日本のインターネット上では、「クラスター化」が進み、違う意見を持つ人々との相互の交信がされなくなっていることを指摘。また、「何でも非難したがる人たちが出ていることは確かに多様性の現れだが、彼らにどのように対応するかは課題である」とした。林氏は、「多様な意見は吸い上げつつも、世の中の進むべき方向性を指し示す役割が、宗教にはある」と話した。

対談終了後、佐々木氏は「何よりもいまの日本社会でも、『冷静に新宗教を巡る状況について議論しても大丈夫なんだ』という新しい空気を作る上で、非常に意味があったのではないか」とコメント。林氏は、「佐々木さんからご指摘があった『宗教がニーズになってきているにもかかわらず、既存の宗教が受け皿になりきれていないのではないか』という部分については、今後も十分に研究し、皆様にご納得がいただける活動をしていきたい」とした。

宗教とテクノロジーの未来を拓くために共通するキーワードは「多様性」にあると考えさせられる対談だ。今後、自由でオープンな議論がいっそう進むことを期待したい。(晴)

【関連サイト】

幸福の科学公式サイト

http://info.happy-science.jp/2013/8941/

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2013年11月22日付本欄 ITジャーナリスト・佐々木俊尚氏と幸福の科学幹部が対談

http://the-liberty.com/article.php?item_id=6991