沖縄県宜野湾市の米軍普天間飛行場の移設問題を巡り、政府・自民党本部の意向に反して県外移設を掲げてきた同党沖縄県連が方針を転換。27日の県議団議員総会で、同県名護市辺野古への移設を認める方針を決めた。

背景には、県連所属の国会議員5人が容認に転じ、県連内でも容認派が大勢を占めていることなどがあるというが、何よりも中国の脅威が顕在化していることが大きな要素ではないか。

これまで中国は、日本の領海・領空侵犯をたびたび繰り返してきたが、23日には、尖閣諸島を含め、日本や台湾、韓国の防空識別圏と重なる空域を、一方的に「防空識別圏」に設定した。一連の中国の横暴な振る舞いを見れば、一刻も早く、普天間飛行場の辺野古移設を進め、日米同盟を強化しなければいけないことが分かるはずだ。

中国の侵略から日本を守るための自民党沖縄県連の方針転換は当然だが、どうせなら、その流れで、沖縄の左翼活動家が反対運動を続けているオスプレイについても見直してはいかがだろうか。

巨大台風「ハイエン」が襲ったフィリピンへの救援では、沖縄の普天間飛行場からオスプレイ計14機が断続的に飛び立ち、海兵隊員や発電機、飲料水などの救援物資を運んだ。オスプレイが前進基地とするマニラ郊外のクラーク基地と普天間の距離は約1500キロメートル。給油なしで約3時間半で到着する。クラーク基地から被害が大きかったタクロバンまでは1時間強である。

また、オスプレイは、長い滑走路が必要な航空機では離着陸できない集落や離島に、食料や水、衣料品などを運ぶことができるなど大活躍。アメリカ海兵隊が「海の移動基地」としている強襲揚陸艦が使用できなくても、オスプレイなどである程度の部隊や物資を、東アジア地域に送り込めることが実証された。(参考:ネットメディア「JBPRESS」。北村淳氏執筆記事「日本で報じられないオスプレイの大活躍、普天間基地から14機がフィリピン救援に」)

注目したいのは、このオスプレイが沖縄から飛んでいるという事実だ。アメリカの基地が沖縄に存在しなければ、このような救援活動はできない。つまり、アジア地域で軍事的な衝突や紛争が起こったときにも、アメリカは沖縄を拠点に同様の対応ができるということである。

米軍を毛嫌いする沖縄にいる左翼活動家や左翼メディアは、こうした地政学的な視点で、もう一度、沖縄にある米軍の果たす役割を見直すとともに、米軍やオスプレイなどの装備があることで、軍拡を進める中国への大きな「抑止力」になっているという事実を確認してほしい。(原/格)

【関連書籍】

幸福の科学出版 『フィリピン巨大台風の霊的真相を探る』 大川隆法著

http://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=1052

【関連記事】

2013年11月24日付本欄 中国のデタラメ防空識別圏 日本政府は強気の言論を挑め

http://the-liberty.com/article.php?item_id=6997

2013年8月26日付本欄 【そもそも解説】自衛隊も導入を決めたオスプレイってどんな飛行機?

http://the-liberty.com/article.php?item_id=6560

2013年2月3日付本欄 【そもそも解説】「米軍普天間飛行場の辺野古移設」って何?

http://the-liberty.com/article.php?item_id=5563