独立行政法人「石油天然ガス・金属鉱物資源機構」(JOGMEC)は3月末までに、那覇市の北西沖130kmの海面下1600mの海底下40mに、500万トン以上の鉱石を有する鉱床を発見した。この海域は「伊是名海穴(いぜなかいけつ)」と呼ばれ、すでに340万トンクラスの鉱床があることは分かっていた。今回見つかったのは、その40m下にある、金や銀などを含む「海底熱水鉱床」の地層だ。JOGMECが今年1~2月に調査していた。

今回の鉱床を発見できたのは、掘削技術の発展により、海底深くを調べられるようになったためだ。経産省は、日本近海にあるほかの10カ所の鉱床も、海底深くまで調査すれば新たな鉱床を見つけられると期待している。

金や銀などの鉱床のほかに、レアアースも最近日本で見つかっている。レアアースは工業のビタミンとも呼ばれ、先端機器には欠かせない材料の一つだ。2010年の尖閣諸島事件後、中国がレアアースの輸出を禁止したためにその価格が15倍以上まで高騰したことを考えると、若干コストが割高でも自前で手に入れる手段が必要だろう。 こうした中で、3月には南鳥島の高濃度レアアースの存在が発表され、今月2日には三重県伊勢市でレアアースを含む新種の鉱物が発見された。また、日本近海には5000万トンもの鉱物資源があるという。

鉱床だけではない。3月に三重県沖で試掘に成功したメタンハイドレートは新たなエネルギー源として期待できる。政府が1日公表した、今後5年間の「海洋基本計画」によれば、メタンハイドレートが領海にどれくらい埋蔵しているかを今年度から3年間かけて調査するという。

日本の国土面積は小さく、世界ランキングでは62位でしかない。しかし島が多いため、経済的排他水域を含めると世界6位まで浮上する。その広い海底から資源を採掘する技術があれば、日本は資源産出国になりうる。レアアースやメタンハイドレートに加えて金や銀が格安で採掘できるようになれば、アメリカのシェールガス革命ならぬ「黄金の国ジパング革命」なんてこともあるかもしれない。(居)

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