一時は一世を風靡したパナソニックの中村改革が、今になって揺らいでいる。

中村改革とは、2000年に松下電器産業の社長に就任した中村邦夫氏が進めた経営改革のことで、「破壊と創造」をスローガンに、事業部制の解体や大胆なリストラなどを押し進め、後発メーカーの「ソニーに学ぶ」と言って高収益体質に改めた。会長時代には社名をパナソニックに変更し、松下の名を消した。まさに聖域なき改革だったわけだが、その劇的な業績回復ぶりに中村氏は「中興の祖」とまで言われ、その経営手法はゼロ年代を代表する企業改革の事例としてもてはやされた。

だが、先月半ばには、中村改革で解体した事業部制を12年ぶりに復活させることになった。ここに来て、「中村改革は失敗だった」ことが明らかになりつつあるのだ。

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