2013年2月号記事
中国は「毛沢東」と「核」で読み解け
『実践・私の中国分析』著者
中国軍事専門家・平松茂雄氏インタビュー
中国軍事専門家
平松 茂雄
(ひらまつ・しげお)
1936年生まれ。慶應大学大学院修了後、防衛庁防衛研究所勤務。同研究室長、杏林大学教授を歴任。専門は現代中国の軍事・外交。著書は『日本は中国の属国になる』(海竜社)など多数。
──新刊のサブタイトルに「『毛沢東』と『核』で読み解く国家戦略」とありますが、中国を見るポイントとして、なぜ毛沢東や核が大切なのでしょうか?
平松 日本では毛沢東の評価があまりにも低すぎます。毛沢東のやったことが正しく認識されているとは言えません。核についても、すぐに「広島・長崎」に思考が向いてしまいます。
左翼の人がそう言うならまだ分かります。しかし、肝心の保守系の人たちもそうです。核武装と言うと口をつぐんでしまう。何か核兵器に対する誤解があるのでしょう。「核がいけない」と言いたい気持ちは分かりますが、だからといって中国が核兵器を開発し、保有している現実は変わりません。