日本へのサイバー攻撃が激化している。警察庁は、主に中国が発信元であり、沖縄県・尖閣諸島の国有化と関連があると分析している。20日付新聞各紙が報じている。

11日から19日13時の時点で、防衛省や電力会社など19のホームページ上で、中国国旗が画面上に現れたり、「尖閣は中国の領土」という文字が表示される改ざんや、閲覧が困難になるなどの被害が出た。

また、中国国内では、ハッカー集団「紅客連盟」のネット掲示板やチャットなどで、日本へのサイバー攻撃を示唆する書き込みが目立っており、約300もの日本の団体が名指しで攻撃対象として挙げられていた。掲示板ではサイバー攻撃の手順を教える動画もアップされていたようで、大量のデータを送りつけてサイトの機能を麻痺させる「DDoS攻撃」という非常に初歩的な手口の可能性が高いという。

警察庁によると、2012年上半期の日本へのサイバー攻撃(標準型メール送付の手口)は522件で、使用された不正プログラムの接続先の約36%は中国だった。また、2010年の尖閣諸島沖での漁船衝突事故の後に官公庁・防衛産業・大使館が受けたサイバー攻撃の発信元の9割は中国だという。

今、日本中が尖閣諸島を巡る海洋問題に注目しているが、中国がサイバーなど同時並行で日本を攻撃してくることは十分あり得る。つまり、サイバー攻撃が日本の国防を危うくする危険性があるのだ。

実際に、2007年、イスラエル空軍機がシリア原子炉を攻撃する直前には、サイバー攻撃によってシリアの防空システムが無力化された。日本は首都圏に都市・政府機能が集中しているが、もし政府の中枢が麻痺するほどのサイバー攻撃を受けた場合、この機能がストップするかもしれない。そしてシリア同様、無防備になって、一方的に武力攻撃される、という可能性も考えておくべきだ。

今回のサイバー攻撃は初歩的な手口だと言われているが、十分警戒すべきである。日本はサイバー分野においても、早急に国防を固めなければならない。(飯)

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