東京都が購入を検討している尖閣諸島の現地調査の様子を、28日付の読売新聞と産経新聞が報じている。
25日、石垣市の中山義隆市長と会談した都議会議員ら7人は、その夜、漁船で尖閣諸島へと向かった。一行は26日早朝に魚釣島に到着。続いて北小島・南小島、久場島周辺を海上から視察し、同日夜に石垣港に帰港した。
調査では島の岸壁に約20mまで近づいたものの、都の尖閣購入への影響を考慮し、島への上陸は見送った。海上から日本が魚釣島に設置した灯台や、かつての住居の石垣、カツオ節工場の跡、野生化したヤギの食害などを確認。また、海中から映像を撮影したほか、漁業活動も行った。
これまで、石垣市は固定資産税の調査や自然環境調査などのために政府に上陸許可を求めているが、いずれも認められていない。八重山漁協も、度重なる中国船の接近の危険から避難港整備を求めてきたが、政府は前向きな回答をしていない。
今回の都議らの調査の際も、海上保安庁の臨検(立ち入り検査)を受け、「船員見習い」の名目で許可されるという、どこの国の領土か分からない待遇を受けたという。
東京都が尖閣購入のために募った寄付金は、27日現在、総額12億7千万円以上。寄付件数の合計は8万6千件を超えている。4月18日付産経新聞が伝えるところによると、購入に必要な額は10~15億円とみられるため、そのほとんどを寄付でまかなえる可能性が高くなっている。
しかし、石原都知事も過去の会見で「国がもともとやるべき事」と発言しているように、領土問題は本来国の仕事である。中山市長は「国はこちらの要望にほとんど回答してすらこない」と政府の対応を批判している。
国境を守る人々にとっては、中国の危機は迫る現実である。尖閣の危機は、沖縄の危機、そして日本全体の国防の危機につながる。石垣市や東京都への政府の対応を見ると、「売国政権」と言われても仕方あるまい。(晴)
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