北朝鮮の朝鮮中央通信は今月、この50年で最悪の干ばつに見舞われたことを報じた。全国的に40日以上雨が降らず、さらには来月上旬まで降らない見込みだという。食糧不足がさらに深刻になることは必至である。

北朝鮮が13日に打ち上げに失敗した長距離道弾ミサイルにかかった費用は約8億5000万ドルといわれる。北朝鮮の住民の約8割に対して年間を通じて食料を供給できる額だという。

北朝鮮では600万人以上の国民が飢餓に苦しんでおり、多くの国民を餓死させ続けながらもミサイル開発を続け、今年2月に核開発中止と引き換えに約束されたアメリカの食料支援も、北朝鮮は「ミサイル発射実験」に踏みきることで事実上拒否している。米政府は今回の干ばつを受けての食料支援にも否定的な立場を示した。

朝鮮中央通信のこの報道は周辺国に対する食料援助要請でもあるという見方もある。核ミサイル開発に巨額を注ぎ込んでおきながら、国内の干ばつに対する食料援助を他国に頼るつもりならば、それは自国民の命を人質にして他国から得た資金で他国を脅かす軍事開発を続けているようなものだ。国家はあくまで国民に奉仕するのが存在意義であり、国民の犠牲の上に立つ国家の存在など許されない。現在の政治体制は一刻も早く解消されるべきである。(光)

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