インド最大の企業集団タタ・グループ(車、鉄、IT、化学など約100社を傘下に抱える)のラタン・タタ会長が17日付日本経済新聞で単独インタビューに応じ、今後のビジョンについて語っている。以下、同氏の発言抜粋。
- 新興国の市場を開拓し、連結売上高を今後10年で5倍の5000億ドル(約40兆円)に増やす。
- 2009年発売の低価格車「ナノ」(約25万円)販売が損益分岐点に至らない月1万台で推移しているが、販売店を増やして今後1年で月2万台に乗せる。インドネシアなどへの輸出も考えている。
- 日本への輸出はブランド力を確立しないと難しいが、タタ・グループはこれまで日本へのIT事業進出で三菱商事と、インドへの建機製造・販売事業で日立グループと提携の経験がある。インドは橋や港などインフラで日本を受け入れる余地がある。アフリカや中南米へ鉱山開発進出を考える日本企業と協力する可能性もある。
日本とインドの関係について、大川隆法・幸福の科学総裁は2008年11月、こう述べている。
「インドは、アジアでは日本や中国に次ぐ大国です。日本、中国、インド、この三つの大国がしのぎを削るのが、今世紀前半のアジアの情勢です。インドの人は非常に親日的な感情を持っていますし、インドと中国とは牽制し合う関係になっているので、日本はインドと日印軍事同盟か何かを結んでおくべきです」(『国家の気概』所収)
玄葉光一郎外相とインドのクリシュナ外相は4月30日に会談し、軍事力を強化する中国を意識して、サイバーテロ対策や海上安全保障協力のための対話の場を設けるとの意見で一致した。
ナノの低迷はマーケティングの失敗が原因と指摘されており、インドの自動車シェア1位はマルチ・スズキだ。インドは日本とビジネスの結びつきを強めることで、日本の技術力やマーケティング力に学ぶこともできよう。さらには安全保障面でも日本とインドがタッグを組めば、非民主主義国・中国への強い牽制になる。(居)
【参考書籍】
幸福の科学出版ホームページ 『国家の気概』 大川隆法著
http://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=114