新東名高速道路が去る4月14日、4車線161.9キロが部分開通した。

特筆すべき点は防災対策としてパーキングエリアやサービスエリア13カ所のうち12カ所にヘリポートが設置されていることだ。

かつて東名高速や名神高速を建設した際、高速道路の一部を緊急滑走路に転用できないかと当時の防衛庁から打診があったが、運輸省は「滑走路に転用できるメリットよりも高速道路が使用できなくなるデメリットの方が大きい」として拒絶した経緯があった。土木建築技術や航空機・ヘリ技術の発達した現在、滑走路転用も検討すべき課題だ。

こうした新規格の高速道路が全国的に整備されることは、災害や有事に強い国内体制の整備に大きく役立つ。

実際、東日本大震災の救援活動に東北自動車道や山形自動車道は大きく貢献した。両自動車道にも、すぐにヘリポートが設置できる場所が、仙台市にある泉パーキングエリア付近をはじめいくつか存在する。少々の予算配分でヘリポートを作ることができれば、安い投資と言えるだろう。

さらには、新幹線やリニア新幹線の駅と高速道路、そしてヘリポートや空港を一つの地域に集中・連結させる拠点産業都市を各地に設ければ、災害や有事だけでなく、経済発展のインフラとして一石二鳥、三鳥にもなる。

既に新潟県燕市と三条市、横浜市の新横浜駅周辺など新幹線プラス高速道路インターチェンジの相乗効果による成功例もあり、十分可能であろう。

「コンクリートから人へ」などというスローガンはまったくの戯言である。(弥)

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