3月18日の「点字ブロック発祥の日」に合わせて、視覚障害者向けに開発された機器の展示会が岡山市で開かれた。点字ブロックは岡山出身の三宅精一氏が発明し、1967年のこの日、県立岡山盲学校付近の国道沿いに世界で初めて設置された。朝日新聞や毎日新聞の18日付地方面や、メーカーのリリース情報などから紹介。

展示会で、ひときわ関心を集めたのは「盲導犬型ロボット」だ。日本精工(本社・東京都品川区)が2007年以来、研究・改善を重ね、2020年には盲導犬と同等の能力を持つロボットを完成させたいとしている。同等の能力とは、

  • 目の不自由な人が指示した方向にきちんと誘導する
  • 障害物をよける
  • 段差や階段を知らせる
  • 曲がり角や交差点を教える

などで、実際の盲導犬はこれらの能力を発揮し、視覚障害者を目的地まで安全に先導する。盲導犬となる犬は生後50日で里親ボランティアに預けられ、約1年間かけて人間社会のルールを教え込まれる。その後、盲導犬訓練所で訓練を受け、ルールをきちんと身につけた約60%の犬だけがテストに合格する。

盲導犬の希望者は全国で約7800人と言われるが、実際に貸与されているのは2011年度末で1067頭。多くの人が順番待ちだ。また、犬を世話する体力不足や動物アレルギーなどの理由で盲導犬を持てない視覚障害者もいることから、ロボットが盲導犬の代わりになればと関係者は期待を寄せている。開発が進めば、白杖や人の手引きの他、本格的に盲導犬型ロボットがアシストするという選択肢も加わる。

しばしば指摘されるように、日本人は「鉄腕アトム」のおかげもあってロボットについて肯定的なイメージが強く、ロボット技術で世界の最先端を走っている。大川隆法総裁は日本の技術により、「こんなロボットがあったらいいな」と人間が思いつくロボットがどんどん実現していく、夢のある未来を予測している。視覚障害者の助けになりたい思いやりの心が技術に結実し、遠くない未来に、日本や世界の道や駅のホームで盲導犬ロボットを見ることができるなら素晴らしいではないか。(清)

【関連記事】

2010年9月号 大川隆法総裁「製造業の未来はこうなる」

http://www.the-liberty.com/article.php?item_id=25