米朝核協議が23、24日にかけて北京で行われた。25日付各紙が報じた。
米国側は、国際原子力機関(IAEA)が確認した上での、北朝鮮のウラン濃縮施設の即時停止を要求した。それに対し北朝鮮側は、自らが施設を停止してからIAEAを受け入れると主張した。施設の停止前に食糧の援助を受取る構えだ。話は平行線で終わった模様。
この協議は、金正日氏死去の直前の昨年12月に米朝が水面下で行っていた交渉を再開したものである。4月15日の故・金日成生誕100周年を前に、食料配給で人心をつかみたい正恩氏が、「核カードを小出しにし、最小限の譲歩で最大限の見返りを求める」という金正日氏式の外交を引継いだことを証明した。
金正日氏は生前、核実験や長距離ミサイル発射の2、3カ月前に、関連部隊を現地指導していた。だが核兵器を運用する朝鮮人民軍第842部隊(ミサイル指導局)への視察は、一度も公開しなかった。同部隊がそれだけ特殊な存在だからだろう。
そのミサイル指導局を正恩氏が視察したと、北朝鮮メディアは2月21日に報じた。米朝核協議を目前にして、正恩氏が軍を掌握していることを誇示するためと見られている。また、4月15日後に第3回の核実験などを行う可能性を示していると指摘する韓国関係者もいる。どちらにしろ、金正日に比べて慎重さを欠く行動だ。
また、北朝鮮のミサイル指揮システムについて、党中央軍事委員長の金正恩氏、参謀総長の李英浩(リ・ヨンホ)氏、ミサイル指導局長の崔相麗(チェ・サンリョ)氏の3名だけが発射の暗号を知っていると23日付朝鮮日報が報じた。
金正恩氏について、大川隆法・幸福の科学総裁は以下のように語っている。(『北朝鮮―終わりの始まり―』幸福の科学出版刊)
「蛮勇が裏目に出て滅びへの道を早めるのではないか」「今、CIA系は内部情報を集め、『金正恩を殺害した場合、北朝鮮は核ミサイルを撃てなくなるかどうか。あるいは、軍部だけでも撃てるか』というあたりのところを確認しているはずだと思います」
実績作りに焦る正恩氏が4月15日以後、長距離ミサイルを発射するかどうか。米国はどこまで北の核の指揮権を把握しているか。動向を注視したい。(居)
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2012年3月号記事 2012年 北朝鮮を崩壊させよ (1)
http://www.the-liberty.com/article.php?item_id=3736
【参考書籍】
幸福の科学出版ホームページ 『北朝鮮 終わりの始まり ―霊的真実の衝撃―』